NUTRI ニュートリー株式会社

医療従事者お役立ち情報

キーワードでわかる臨床栄養

第2章栄養素とその代謝

2-7:ビタミンD[vitamin D, carciferol]

ビタミンD[vitamin D, carciferol]
 血清活性型ビタミン1,25-ジヒドロキシビタミンD3基準値:
 成人:20~60 pg/mL,小児:20~70 pg/mL
 ビタミンD活性をもつ化合物は,植物性由来のビタミンD2(エルゴカルシフェロール)と動物性由来のビタミンD3(コレカルシフェロール)がある.また,皮膚にはプロビタミンD3(7-デヒドロコレステロール)が存在し,紫外線照射によってビタミンD3が生成される.摂取されたビタミンDは,小腸内でミセル化され,吸収された後に,カイロミクロンに取り込まれ,血漿中に放出され,カイロミクロンレムナントとなって肝臓へ運搬される.肝臓では,25-ヒドロキシビタミンDが合成され,腎臓へと運搬され,活性型ビタミンDである1α,25-ジヒドロキシビタミンDとなり,腸管からのカルシウム吸収を促進し,骨のリモデリングやカルシウム恒常性維持に関与している.さらに,最近の研究によれば,ビタミンDは,マクロファージ機能の活性化,レニン-アンギオテンシン系の制御などさまざまな内分泌系に関与することが明らかとなってきている.
 典型的なビタミンD欠乏症は,くる病,骨軟化症,骨粗鬆症である.過剰症には,高カルシウム血症,腎障害,軟組織の石灰化障害などがあげられる.

おすすめコンテンツ