"栄養"に特化した食品メーカー 栄養素補給食、嚥下サポート食のニュートリー株式会社

キーワードでわかる臨床栄養

医療従事者お役立ち情報

  1. トップページ
  2. 医療従事者お役立ち情報
  3. キーワードでわかる臨床栄養
  4. 第10章 10-17:リハビリテーションと栄養

第10章各疾患の栄養管理

10-17:リハビリテーションと栄養

■リハビリテーション栄養

 リハビリテーション(以下,リハ)栄養とは,国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health:ICF)による全人的評価と栄養障害・サルコペニア・栄養素摂取の過不足の有無と原因の評価,診断,ゴール設定を行ったうえで,障害者やフレイル高齢者の栄養状態・サルコペニア・栄養素摂取・フレイルを改善し,機能・活動・参加,QOLを最大限高める「リハからみた栄養管理」や「栄養からみたリハ」である(参考文献10-17-1).リハを要する入院患者の約50%に,低栄養やサルコペニアを認める.また,低栄養やサルコペニアがある場合には,サルコペニアの摂食嚥下障害を生じやすく,リハを行っても機能回復が悪く,死亡率が高い.そのため,リハを要する患者には機能訓練だけでなく,低栄養やサルコペニアを診断して改善することが重要である.しかし実際には,病院・施設で医原性低栄養や医原性サルコペニアがつくられることがあり,生活機能やQOLを低下させている.そのため,質の高いリハ栄養の実践が求められる.

■リハビリテーション栄養ケアプロセス

 質の高いリハ栄養実践のために,リハ栄養ケアプロセスというマネジメントサイクルを開発した1).リハ栄養ケアプロセスは,①リハ栄養アセスメント・診断推論,②リハ栄養診断,③リハ栄養ゴール設定,④リハ栄養介入,⑤リハ栄養モニタリングの5段階で構成される(図Ⅰ)(参考文献10-17-2).従来の栄養ケアマネジメントとの違いは,②リハ栄養診断と③リハ栄養ゴール設定という段階の明確化である.従来の栄養ケアマネジメントでは,栄養スクリーニング栄養アセスメントの後に,栄養ケアプランの立案を行っていた.しかし,低栄養やサルコペニアの原因を詳細に考えずに,またリハと栄養状態の具体的なゴールを設定せずに,質の高い栄養ケアプランを立案することは難しい.また,アメリカ栄養士会が開発した栄養ケアプロセスには,リハ栄養では欠かせないサルコペニアが含まれていない.そのため,質の高いリハ栄養の実践には,栄養ケアプロセスでは不十分である.

図Ⅰ

図Ⅰ●リハビリテーション栄養ケアプロセス
(文献10-17-2より引用)

■リハビリテーション栄養診療ガイドライン

 日本リハビリテーション栄養学会では,質の高いリハ栄養実践のために,脳血管疾患(参考文献10-17-3),大腿骨近位部骨折(参考文献10-17-4),成人がん(参考文献10-17-5),急性疾患(参考文献10-17-6)の4疾患についてリハ栄養診療ガイドライン2018年版を作成した.各疾患のクリニカルクエスチョン(CQ)とステートメントは,以下の通りである.

A. 脳血管疾患
 【CQ】リハを実施されている高齢の脳血管疾患患者に,強化型栄養療法は行うべきか?
 【推奨】リハを実施されている急性期の高齢の脳血管疾患患者において,死亡率,感染の合併症を減らし,QOLを向上する目的に,強化型栄養療法を行うことを弱く推奨する(弱い推奨/エビデンスの確実性:低い).

B. 大腿骨近位部骨折
 【CQ】リハを実施している65歳以上の大腿骨近位部骨折患者に,強化型栄養療法を行うべきか?
 【推奨】リハを実施している65歳以上の大腿骨近位部骨折の患者において,死亡率および合併症発症率の低下やADLおよび筋力の改善を目的として,術後早期からのリハと併用して強化型栄養療法を行うことを弱く推奨する(弱い推奨/エビデンスの確実性:低い).

C. 成人がん
 【CQ】不応性悪液質を除く成人がん患者にリハと栄養指導を組み合わせたプログラムを行うべきか?
 【推奨】補助化学療法または放射線療法を行う成人がん患者に対して,リハと栄養指導を組み合わせたプログラムを行うことについて一律・一定の推奨はしないこととする(エビデンスの確実性:非常に低い).
ただし患者および家族の意向と病状を勘案し,リハと栄養指導の必要性を個別に判断することが望ましい.低栄養や悪液質を有し,ADL低下を認める成人がん患者に対するリハと強化型栄養療法の組み合わせ効果については現時点でエビデンスが存在せず特定の推奨を行うことはできない.

D. 急性疾患
 【CQ】不応性悪液質を除く成人がん患者にリハと栄養指導を組み合わせたプログラムを行うべきか?
 【推奨】補助化学療法または放射線療法を行う成人がん患者に対して,リハと栄養指導を組み合わせたプログラムを行うことについて一律・一定の推奨はしないこととする(エビデンスの確実性:非常に低い).
ただし患者および家族の意向と病状を勘案し,リハと栄養指導の必要性を個別に判断することが望ましい.低栄養や悪液質を有し,ADL低下を認める成人がん患者に対するリハと強化型栄養療法の組み合わせ効果については現時点でエビデンスが存在せず特定の推奨を行うことはできない.

おすすめコンテンツ
  • ニュートリーオンラインショッピング
  • ニュートリーポイントプログラム
  • CLUB NUTRI(登録)
  • ご当地嚥下食ワールド
  • 嚥下NEWS
  • 嚥下障害と誤嚥性肺炎[学ぶ&ケア]