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キーワードでわかる臨床栄養

第2章栄養素とその代謝

2-7:ビタミンK[vitamin K, phylloquinone]

ビタミンK[vitamin K, phylloquinone]
 血清ビタミンK1基準値:0.15~1.25 ng/mL,血清ビタミンK2基準値:0.10 ng/mL以下
 ビタミンKには,植物由来のフィロキノン(ビタミンK1)とヒトの腸内細菌が産生するメナキノン(ビタミンK2:MK)がある.MKには,MK-4,MK-7がある.一般に,ビタミンKは,ビタミンK1とMK-4を指している.摂取されたビタミンKは,ミセル化後,小腸で吸収され,カイロミクロンの一部として合成され,リンパ管,循環血を経てカイロミクロンレムナントとして肝臓に取り込まれる.肝臓では,VLDLの構成成分となり,血漿中に放出され,その後VLDLからLDLへとなり,組織へビタミンKが供給される.ビタミンKの重要な役割として,カルボキシル化反応に関与していることがあげられる.さらに,ビタミンKの代謝として特徴的なことは,この反応過程でビタミンKサイクルとよばれる1分子のビタミンKが何度も利用されるシステムがあることである.
 また,ビタミンKは,血液凝固因子(Ⅱ,Ⅶ,Ⅸ,Ⅹ)の合成やオステオカルシンの生成にも関与している可能性が報告されている.
 ビタミンKの欠乏症には,血液凝固の延長,出血症状があるが,成人ではほとんど認められていない.一方,新生児では,新生児出血性疾患を生じる.過剰症は,通常の食事摂取の場合,発生しない.

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