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第5章栄養状態の評価

5-1:栄養スクリーニング・アセスメント

■栄養スクリーニング・アセスメントの概略

 栄養スクリーニング栄養アセスメントは栄養ケアを実施する一連のプロセスの第一歩である(図Ⅰ).栄養障害(またはそのリスク)のある対象者を抽出し,栄養状態を評価することは重要である.栄養障害,なかでも低栄養あるいはその疑いがある対象者を抽出することを「栄養スクリーニング」とよび(参考文献5-1-1),さまざまなツールが開発されている.これに対して,栄養スクリーニングで低栄養のリスク抽出された患者に対してより詳細に栄養状態を評価することを「栄養アセスメント」とよぶ(参考文献5-1-1).また,低栄養に関しては近年国際的な診断基準の枠組みが開発され(参考文献5-1-2),栄養アセスメントとは別に「低栄養の診断」を行うことが可能となった.

図1●栄養ケアのプロセスにおけるスクリーニング・アセスメントの位置付け

図1●栄養ケアのプロセスにおけるスクリーニング・アセスメントの位置付け
※栄養スクリーニング栄養アセスメントを必要とする患者の抽出,栄養アセスメントはそれに続く栄養ケア計画の立案に必要な情報の収集と解釈を目的として実施する.
(文献5-1-1をもとに作成)

■栄養スクリーニングの定義と評価ツール

 栄養スクリーニングは低栄養あるいはそのリスクがある対象者を簡便・迅速な方法で抽出することを指す(参考文献5-1-1).体重減少,現体重(body mass index:BMI),食事摂取量,急性疾患・ストレスの影響などの項目から構成され,おおむね5 分以内で評価を完了できることが特徴である.高齢者向け,在宅向け,急性期向けなどさまざまな栄養スクリーニングツールが開発されているが,妥当性・信頼性が検証されたツールを用いることが望ましい.妥当性が検証ずみの代表的なツールとして,高齢者向けのMNA-SF(Mini Nutritional AssessmentShort-Form)(参考文献5-1-3),在宅・病院など幅広いセッティングで使用可能なMUST(MalnutritionUniversal Screening Tool)(参考文献5-1-4),主に急性期病院向けのNRS2002(Nutritional RiskScreening)(参考文献5-1-5)などがある.

■栄養アセスメントの定義と評価法

 栄養アセスメントは管理栄養士などの栄養専門職が実施する詳細な栄養状態の評価を指 し,栄養状態・疾患重症度や代謝亢進の程度・体重変化・体組成・栄養/食事歴・薬歴など のさまざまな情報を総合的に判定することである.栄養アセスメントを行う目的は栄養学的 問題の原因や程度の判定,栄養ケアプランの基盤となる情報の提供である(参考文献5-1-6).

A. 栄養アセスメントツール
 栄養アセスメントを網羅的に実施するためのツールとして,主観的包括的評価MNA(Mini Nutritional Assessment)(参考文献5-1-7),SGA(Subjective Global Assessment)(参考文献5-1-8),PG-SGA(Patient-generated SGA)(参考文献5-1-9)などがある.それぞれ構成要素は異なるが,体重減少や消化器症状,疾患・外傷によるストレスや代謝亢進,創傷の有無,食事摂取量や内容の変化などの項目を含み,最終的に低栄養の有無や程度を判定することができる.SGAは“主観的に栄養状態を評価することや主観的な栄養指標”の意味でも用いられることもあるが,一般的には「SGAという手法」を指す(参考文献5-1-8).PG-SGASGAを改良したもので,患者自身が評価する項目と医療者が評価する項目とに分かれている.MNAは高齢者向けに開発された18項目の栄養アセスメントツールであり,MNA-SFはMNAの初期6項目を独立させたものである.

B. 栄養評価指標
 栄養アセスメントに用いられる評価指標には,①身体計測,②体組成分析,③病歴・治療歴,④栄養・食事歴(栄養摂取量を含む),⑤身体検査(フィジカルアセスメント),⑥臨床検査(血液・尿など),⑦機能検査,などがある.このうち身体計測や臨床検査などの数値化できる指標を,SGAと対比させて客観的栄養評価(objective data assessment:ODA)とよぶことがある(参考文献5-1-10).また,血清アルブミン値のように代謝回転が比較的遅い生化学的指標や身体計測値など,現時点での普遍的な栄養状態を指す指標を用いる静的アセスメント,急性相タンパク質(rapid turnover protein)のように代謝回転の速い血清タンパク質や窒素出納などを用いて経時的な栄養状態の変動を評価する動的アセスメント,複数の栄養評価指標を組み合わせて治療予後や合併症などを予測する予後推定アセスメントがある(参考文献5-1-10).予後推定指標は栄養リスク指標ともよばれ,PNI(Prognostic Nutritional Index),NRI(Nutritional Risk Index),GNRI(Geriatric Nutritional Risk Index)などがある(参考文献5-1-11),(参考文献5-1-12).ただし,これらに用いている生化学的指標は現在のコンセンサスでは栄養指標というより炎症反応や疾患重症度の指標とみなされていることに注意したい(参考文献5-1-2).

■低栄養の診断基準

  近年,複数の国際学会主導で低栄養の診断基準が開発された.これまで,低栄養のゴールドスタンダードとよべる診断基準は存在しなかったが,2018年に臨床栄養に関連する世界4学会(米国静脈経腸栄養学会,欧州臨床栄養代謝学会,アジア静脈経腸栄養学会,南米静脈経腸栄養学会)によるワーキンググループ(Global Leadership Initiative on Malnutrition:GLIM)が低栄養の国際基準を公表した(GLIM基準)(参考文献5-1-2).GLIM基準栄養スクリーニングでリスク評価を行った後,表現型基準と原因基準に該当すれば低栄養と判断するものである.今後,臨床現場では栄養スクリーニング栄養アセスメントと並んで低栄養診断が実施されるようになるだろう.

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