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    第2章栄養素とその代謝

    2-7:ビタミンB1[vitamin B1, thiamine]

    ■ビタミンB1[vitamin B1, thiamine]
     血清ビタミンB1基準値:28~56 ng/mL
     ビタミンB1の化学的形態はチアミンである.食品中にはチアミン二リン酸(thiamine diphosphate:ThDP)がタンパク質と結合して存在しており,これらは,摂取後,胃酸により遊離され,腸内アルカリホスフォターゼにより遊離チアミンに加水分解される.摂取量が低い場合には能動輸送で,高い場合には受動輸送で主に十二指腸または空腸から吸収され,循環血中では主に赤血球によって運搬される.ほとんどの末梢組織細胞では腸管と同様の吸収機構が存在しており,吸収された後に補酵素型のThDPとして貯蔵されるが,脳ではチアミン三リン酸(thiamine triphosphate:TTP)としても存在している.ヒトの組織中の濃度は,心筋で2~3μg/g,脳・肝臓で1μg/g,骨格筋で0.5μg/gとなっている.
     ThDPは,炭水化物代謝におけるいくつかの脱水素酵素複合体の補酵素として重要な役割を果たしている.例えば,ミトコンドリアのエネルギー代謝の主要な供給源として,ピルビン酸からアセチルCoAへの代謝があげられる.高カロリー輸液時に,ビタミンB1が欠乏すると,この代謝が乳酸産生へと傾き,乳酸アシドーシスが起こり,ウェルニッケ脳症など重篤な有害事象が発症する.
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