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第11章高齢者の栄養管理

11-2:褥瘡・スキン-テア

■はじめに

 褥瘡管理では褥瘡発生のリスクを把握して体圧分散寝具の適正使用など,予防処置を行うことがもっとも大切である.治療にあたっては体圧管理,栄養管理,局所治療をバランスよく行うことが必要となる.特に局所治療では感染コントロールを十分に行い,湿潤環境を保つことがポイントとなる.深い褥瘡や感染を伴う褥瘡の場合には専門医や認定看護師と連携して治療にあたり,在宅や施設では介護力を考慮して,出血を伴ったり感染がひどい場合には入院治療を考えることも大切である.チームで患者の状態,療養環境についての情報を共有して,褥瘡の予防,治療を計画的に行うことが求められる.

■褥瘡発生と栄養

 褥瘡はできてしまうと治療に時間がかかることが多い.また,特に高齢者では栄養状態不良の患者の割合が高く,治療に難渋することも多い.そのため最大の褥瘡対策は発生予防であり,褥瘡発生のリスクのある患者にはあらかじめ予防介入を行うことが大切である.褥瘡危険因子としては栄養状態低下,ベッド上基本動作能力なし,病的骨突出,多汗,関節拘縮,便失禁があげられる.いくつかの褥瘡発生リスクアセスメントツールがあるが,大浦らは自力体位変換能力,病的骨突出,浮腫,関節拘縮の4項目に着目したOHスケールを開発し,病院だけでなく施設を含む在宅においても用いることを推奨している.このスケールでは結果により患者を3つの危険要因レベルに分ける.すなわち危険要因がない(0点),軽度レベル(1~3点),中等度レベル(4~6点),高度レベル(7~10点)に分け,それぞれの褥瘡発生確率を軽度レベルで約25%,中等度レベルで約26~65%,高度レベルで約66%以上としている(参考文献11-2-1).褥瘡予防の方法としては圧力・ずれの排除,スキンケア,栄養管理,リハビリテーションなどを患者の状態に応じて行うことが必要になる.圧力・ずれの排除では,適切な体圧分散寝具を選択して準備することが重要となる.また関節拘縮の予防や進展の防止のためにはリハビリテーションを行うことが大切であり,関係する職種で調整してケア計画を立案することが求められる.
 患者の栄養状態がさまざまな病態に大きな影響を与えることは誰しも認めるところである.褥瘡管理においても,褥瘡発現の最大の危険因子は圧迫であるが,その他にも栄養状態を含めていくつかの因子が知られている.褥瘡予防における栄養管理の必要性はいくつかの文献で明らかにされており,図Ⅰにあげるような項目が褥瘡発生に関連する栄養に関するリスクファクターである.OHスケールには前述した骨突出と浮腫の2項目が間接的に栄養状態を評価する項目として入っている.また最近増えている在宅患者でも褥瘡発生要因として低栄養が一番関連があるという結果が出ている(図Ⅱ).褥瘡予防には体圧管理だけでなく適切な栄養管理が必要であり,合併症の予防にもつながる.

図Ⅰ●褥瘡発生要因と栄養障害

図Ⅰ●褥瘡発生要因と栄養障害
(文献11-2-2より引用)

図Ⅱ●在宅褥瘡発生にかかわる栄養状態の影響

図Ⅱ●在宅褥瘡発生にかかわる栄養状態の影響
(文献11-2-3より引用)

■褥瘡治療と栄養

 褥瘡治療にあたっては発生した要因について考察し,その原因を取り除かなければ優れた局所治療を行っても治癒にもっていくことは難しい.褥瘡治療には体圧管理,栄養管理,局所治療のすべてをバランスよく行うことが大切となる.体圧管理に関しては体圧分散寝具を用いることが最も効果がある.
 局所治療の原則はWound bed preparationとMoist wound healingであり,Wound bed preparationとは創床環境調整ともよび,創傷が治癒するための環境をつくることを意味している.つまり創傷治癒を阻害する因子(壊死組織,感染,過剰な滲出液など)をコントロールすることが大切である.特に壊死組織の除去と感染管理は深い褥瘡の治療においては重要となる.消毒を漫然と行うよりは洗浄を十分に行うことが創床環境を整えるために必要となる.Moist wound healingは湿潤療法ともいい,創を適度な湿潤環境に保つことによって創面からの浸出液に含まれる炎症細胞の活動性を維持したり,創傷治癒に必要な因子を逃がすことなく利用することで早期の治癒に導くという考え方である.現在では創傷治療の原則となっている(参考文献11-2-4).
 褥瘡管理においては褥瘡の発生予防,創傷治癒の過程において最近は栄養管理の重要性が報告されており,その結果ガイドラインにおいても栄養管理について詳しく述べられている(表Ⅰ).

表Ⅰ●褥瘡と栄養

(文献11-2-5より転載)

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