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キーワードでわかる臨床栄養

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第1章栄養障害と栄養療法

1-3:栄養療法の考え方とその効果

■はじめに

 栄養療法は栄養不良を改善することで,各種疾患や合併症の予防や治療になり,予後や全身状態と生活の質(QOL)を改善する.栄養療法は体力をつけて病気を回復させる自然治癒の基礎的治療法であり,副作用もなく万病に効く.しかも栄養剤や輸液製剤は,他の薬剤に比べて安価で経済的でもある.
 栄養サポートや栄養ケアは医療と療養の基本となる療法であり,栄養不良の早期発見と適切な栄養サポートが,合併症の予防や早期回復につながる.栄養サポートには医師,薬剤師,管理栄養士,看護師,言語聴覚士,臨床検査技師などの多職種が連携するチーム医療が必要かつ効果的である.そのため,栄養サポートに関するチーム医療に診療報酬でも加算が認められている.

■栄養療法の手段

 経口摂取が可能であるのに食事内容が栄養不良の原因であるときや,咀嚼や嚥下機能に多少の問題があっても食形態の工夫で食べられるケースでは,管理栄養士の栄養指導や,歯科医師や言語聴覚士と看護師,管理栄養士の協力により経口のみで栄養摂取が改善できることも多い.
 経口摂取が不可能でも消化管機能(小腸の消化吸収能)に異常がなければ,経管経腸栄養を行う.脳血管障害の急性期など短期間の場合は経鼻経管栄養が行われるが,経鼻チューブは不快であり,交換の際に気管に誤挿入するリスクもあるので,長期になる場合は胃瘻からの経腸栄養がよい.
 消化器がんの術後などの短期間の絶食期間は,水分電解質補給が主目的であるので末梢静脈栄養が行われる.2週間以上の絶食で経腸栄養もできない場合は,高カロリー輸液が必要なので中心静脈栄養を行う(参考文献1-3-1).
 中心静脈カテーテル留置経路に関しては,鎖骨下静脈は気胸,内頸静脈は動脈誤穿刺,大腿静脈は便尿汚染による感染などのリスクがある.末梢挿入式中心静脈カテーテル(PICC:peripherally inserted central catheter)は,これらのリスクがなく,最近はエコーガイド下に上腕から挿入できるので肘部での屈曲がなくなり,さらに診療看護師の特定行為として熟練した看護師が挿入できるようになったので,安全な経路として第一選択になりつつある(参考文献1-3-1).
 栄養療法(栄養サポート)はかつては主治医一人に一任されていたので,主治医が栄養に興味や知識がなければ,栄養不良や栄養障害に陥ることも見受けられた.しかも原疾患の治療に加えて,栄養指導や管理栄養士への依頼,静脈栄養経腸栄養の栄養投与経路の造設やその手配も主治医が行っており,医師の負担が大きかった.近年はチーム医療が普及して診療報酬加算での評価も後押しする形で,栄養療法も栄養サポートチーム(NST)が適切なサポートやアドバイスを行うようになっている(参考文献1-3-2).

■栄養療法の効果判定

 栄養療法の効果判定は,週に1回はするべきである.最も簡単かつ大事なのは患者状態の観察である.血清アルブミン値などの血液検査データに変化がなくても,患者が元気になっていれば有効と考える.体重変化は最も簡便な指標であるので必ず測定する.
 効果が認められなければ,栄養投与法や摂取量や内容を再検討する.栄養療法に問題がなくても,原疾患が治癒傾向にない,もしくは悪化していれば栄養状態も改善しないことが多い.栄養改善だけで治りが早くなる病状もあるが,反対に感染症などは原疾患が治れば栄養状態も改善するので,原疾患の治癒過程や病状に応じた適切な栄養療法が必要である.
 がん性悪液質の末期や老衰では,強制栄養がかえって苦痛を強いることもあるので,栄養療法の適応の判断が求められる.
 NSTは少なくとも週に1回はミーティングとラウンドを行っているので,チームが介入した栄養サポートの効果を毎週判定する.改善すればチームのモチベーションも向上する.また栄養療法による病状の改善のみならず,感染対策,褥瘡対策,緩和ケアの知識についてもディスカッションすることができて,チーム医療の質が向上する.

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