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第11章高齢者の栄養管理

11-4:骨粗鬆症

■骨粗鬆症とは

A. 定義
 骨粗鬆症は,骨密度および骨質の低下により骨強度が低下して脆弱性が増し,骨折の危険性が高まった状態である(参考文献11-4-1).WHO(世界保健機関)でも「骨粗鬆症は,低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし,骨の脆弱性が増大し,骨折の危険性が増大する疾患である」と定義している(参考文献11-4-2).骨粗鬆症はこれまでのイメージでは骨がもろくなり,骨折しやすくなった状態と捉えていることが多かったが,骨粗鬆症自体が疾患でありその合併症として骨折が起こるという認識が適切である.

B. 分類
 骨粗鬆症の分類としては遺伝的素因や食事や運動,アルコールなどの生活習慣,また基礎疾患や薬物などが関与して起こる続発性(二次性)骨粗鬆症(表Ⅰ)と,加齢や出産などにより起こる原発性骨粗鬆症(表Ⅱ)がある.

表Ⅰ●続発性(二次性)骨粗鬆症

(参考文献11-4-3,11-4-4をもとに作成)

表Ⅱ●原発性骨粗鬆症

(参考文献11-4-3,11-4-4をもとに作成)



C. 疫学
 一般住民における40歳以上での骨粗鬆症の患者数は1,280万人で,男性300万人,女性980万人(参考文献11-4-2)と男性より女性での患者数が3倍以上であるとされている.これは男性と女性では最大骨量に差があること,また女性では閉経後,女性ホルモンであるエストロゲンの減少により骨量が急激に減少することが原因と考えられる.

D. 診断
① 画像検査 :X線やMRIなどで骨折の有無やその時期を確認する
② 骨密度検査 :超音波やX線(DXA法またはMD法)で測定する
③ 血液,尿検査 :内科的疾患の有無などを確認する
④ 問診 :食事や運動,アルコール,喫煙などの生活習慣,既往歴や年齢,閉経の時期などを確認する
⑤ 身体診察 :身長,体重,背骨の変形,背部痛の有無などを確認する
これらを検査,確認して骨密度が若年成人平均の70%以下の場合,または骨密度が若年成人平均の70~80%(骨量減少)で脆弱性骨折の既往を伴う場合を骨粗鬆症と診断する(参考文献11-4-4).

■栄養管理

A. 栄養アセスメント
 骨粗鬆症患者の栄養アセスメントとしては以下を確認する.
 ① 身体所見:身長,体重,BMI,背骨のゆがみの有無など
 ② 現病歴と既往歴:糖尿病などの慢性疾患の有無,胃切除などの既往歴
 ③ 喫煙,アルコール,運動習慣など
 ④ 食事摂取状況(できれば食事記録も)
 ⑤ アレルギー食品や乳糖不耐症,食嗜好など
 ⑥ 服薬状況
 栄養相談開始時などではこれらを調査し,疾患や生活習慣,食習慣から骨粗鬆症の要因がないかを検討する.できるだけ骨粗鬆症の要因となるものは排除していくように促すが,喫煙やアルコールに関しては頻度や量もモニタリングし,本人の意思を確認しながら徐々に減らしていくようにする.食事摂取状況では,カルシウムの供給源である乳製品に対してアレルギーや乳糖不耐症がないかなども確認する必要がある.できれば食事記録(2日分程度)を実施するとよいが,高齢者で実施が難しい場合は乳製品や魚,小魚,大豆製品などの摂取頻度や量を確認するようにする.

B. 栄養摂取目標と栄養ケア
 「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」では栄養摂取目標として以下が示されている.
 ①カルシウム:成人では650~800 mg/日の摂取を推奨している.また治療のためには700~800 mg/日を推奨している.加えてビタミンDは肝臓や腎臓で代謝され活性型ビタミンDへと変化する.活性型ビタミンDはカルシウムの吸収を助けたり,カルシウムが不足している場合には尿中からカルシウムを再吸収するように働く.また骨形成を促すなどという理由から,ビタミンDの摂取も考慮すべきであるとしている
 ②ビタミンD:400~800 IU(10~20μg)
 ③ビタミンK:250~300μgとしている
 ④エネルギー:不足しないよう注意する
 ⑤タンパク質:不足を予防しつつ過剰摂取とならないように注意する
 骨粗鬆症の治療時に推奨される食品,また過剰摂取を避けた方がよい食品については表Ⅲに,カルシウムとビタミンDビタミンKそれぞれの推奨量分を食品で摂る場合の食品とその目安を表Ⅳに示す.
 なお,骨粗鬆症治療,予防におすすめのレシピとして,小松菜のミルクスムージー(図Ⅰ),凍り豆腐のジャーマン風炒め(図Ⅱ)を紹介する.

表Ⅲ●骨粗鬆症の治療時に推奨される食品,過剰摂取を避けた方がよい食品

(参考文献11-4-2より転載)

表Ⅳ●栄養素の推奨量とその食品例 図Ⅰ●小松菜のミルクスムージー

図Ⅰ●小松菜のミルクスムージー
小松菜と牛乳はどちらもカルシウムを多く含む食品である.合わせてスムージーにすることでカルシウムを簡単に摂取できる.

図Ⅱ●凍り豆腐のジャーマン風炒め

図Ⅱ●凍り豆腐のジャーマン風炒め
高野豆腐はカルシウムが多い食品である.野菜やウインナー・チーズをプラスすることで子どもでも食べやすいメニューになる.

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