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キーワードでわかる臨床栄養

第4章栄養と免疫,および生体防御機構

4-3:乳酸菌[lactobacillus]

乳酸菌[lactobacillus]
 乳酸菌とは,炭水化物を発酵してエネルギーを獲得し,多量の乳酸を生成する一群の細菌の総称である.乳酸菌は自然界に広く生息し,植物の表面,動物の体内に存在し,発酵乳,乳酸菌飲料などの加工食品においても重要な役割を果たす.また消化管内の常在細菌叢を形成し,いわゆる「善玉菌」として腸管内の恒常性を保っている.
 さらに,乳酸菌は生菌のみならず死菌や代謝産物も含めた生体調節機能が明らかとなりつつある.菌体成分や代謝産物がパイエル板から取り込まれることで免疫系を活性化するため生菌でなくても効果をもたらす.
 このような死菌体の代表例としてEnterococcus faecalisの加熱殺菌菌体があり,他の乳酸菌より分子が小さいためパイエル板から取り込まれやすいという特徴をもつ.

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