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キーワードでわかる臨床栄養

第2章栄養素とその代謝

2-5:マグネシウム(Mg)[magnesium]

マグネシウム(Mg)[magnesium]
 血清基準値:1.3~2.1 mEq/L
 マグネシウム(Mg)は,生体内に約25 g存在し,50~60%は骨組織,40%が軟部組織(主に筋肉)に分布し,血漿中には,Mg全体の約0.2%が含まれている.そのうち,マグネシウムイオンとして55%,重炭酸,リン酸,クエン酸などとMg塩として結合しているのが15%,タンパク質(主としてアルブミン)結合Mgが30%となっている.Mgは,解糖系,酸化的リン酸回路,脂肪酸β酸化など多くの酵素反応の補酵素として重要な役割を果たしている.また,体温や血圧の調節,神経の興奮,筋収縮などの生理的機能に関与している.  日本人の平均的な1日のMg摂取量は,240 mg(20 mEq)である.摂取されたMgは,主に遠位空腸,回腸において吸収される.吸収率は,摂取量により異なり,多い場合には低下し,少ない場合には上昇する.成人で平均摂取量が約300~350 mg/日の場合は約30~50%の吸収率とされている.血漿中のMgは,腎臓糸球体で濾過されるが,約95%が再吸収され,1日尿量が1.5 Lの場合,25~40 mg排泄されることになる.
「日本人の食事摂取基準(2020)」では,Mg出納試験から日本人における出納が0になる摂取量から,4.5 mg/kg体重/日を成人の体重当たりの推定平均必要量とし,推奨算定係数を乗じて,年齢層ごとに決められている.

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