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キーワードでわかる臨床栄養

第2章栄養素とその代謝

2-5:リン(P)[phosphorus]

リン(P)[phosphorus]
 血清基準値:2.6~4.5 mg/L
 リン(P)は,生体内には,除脂肪体重の1.0~1.4%,または体重1 kg当たり1.2 g(0.4 mol)含まれ,その85%がハイドロキシアパタイトの形で骨や歯の構成成分として存在する.その他は,骨格筋や軟部組織の細胞内では,高エネルギーリン酸塩として存在し,エネルギー代謝に重要な働きをもち,細胞外液である血液中には,血漿タンパク質,リン酸,リン酸塩として存在している.摂取されたPは,主に無機リン酸塩の形で摂取量の60~70%が十二指腸(ビタミンD非依存性),空腸(ビタミンD依存性)において吸収され,ほぼ同じ量が尿中に排泄され,糞便中には吸収されなかったリンが排泄されることになる.血清中のPは,2.6~4.5 mg/Lと狭い範囲で維持され,その因子として,近位尿細管におけるリンの再吸収低下やPTHとともに,近年ではFGF23(fibroblast growth factor 23)の関与が注目されている.
「日本人の食事摂取基準(2020)」では,日本人のリンの平衡維持に必要な量が明らかとなっていないことから,アメリカ・カナダの食事摂取基準を参考に,平成28年国民健康・栄養調査の摂取量の中央値を参照に,男性1,000 mg/日,女性800 mg/日を目安量としている.リン摂取量と血清リン値が正常上限となる値を参照に,3,000 mg/日を耐容上限量として設定している.

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