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  4. ピック(PICC)[peripherally inserted central catheter]

7-2:中心静脈カテーテルのキーワード

[4] ピック(PICC)[peripherally inserted central catheter]

 末梢挿入中心静脈カテーテル(peripherally inserted central catheter:PICC)のことで、本邦では「ピック」と呼ばれている。肘の静脈(尺側皮静脈、橈側皮静脈、肘正中皮静脈など)を穿刺して長いカテーテルを挿入し(図6)、腋窩静脈、鎖骨下静脈を経由して上大静脈に先端を位置させる(図7)。挿入時に、気胸や血胸などの合併症が起こらないことが最大の利点である。欧米では、資格を有する看護師が挿入している。問題は肘を曲げることにより滴下状態が変動すること、静脈炎の発生頻度が比較的高いことであるが、挿入時の安全性はきわめて高いという利点があるため、安全管理を考慮した場合には有用なカテーテルである。
 この肘を曲げることによる滴下不良状態に対する対策として、エコーガイド下に上腕の部分で静脈を穿刺する方法が施行されるようになってきている(図8)。エコーにより静脈の走行、状態を確認し、エコーガイド下で静脈を穿刺するので、安全性は高い。肘の屈曲にかかわらず安定した輸液速度が保てること、穿刺時の安全性が高いこと、などの理由で、欧米では中心静脈カテーテル挿入の第一選択となってきている(図9)。
 現在、当施設で使用しているピックは、先端にバルブ機構がついているカテーテルである(図10)。先端は盲端になっていて、側壁にスリットがついている。このスリットは、通常の上大静脈の圧の範囲内では閉鎖した状態であるが、輸液投与時にはスリットが外側へと開き、陰圧をかけると内側へと開いて血液を吸引することが出来る構造になっている(Groshongカテーテル)。したがって、使用しない期間中でもヘパリンロックが不要という利点がある。
図6

図6●肘から挿入する中心静脈カテーテル:ピック
肘正中皮静脈を穿刺して上大静脈までカテーテルを挿入する。穿刺時の合併症がほとんどないという利点があり、リスクマネジメントの観点からは、きわめて有用なカテーテルである。しかし、肘を曲げることにより滴下が不安定になるという欠点もある。2010年4月の診療報酬改訂でPICC(末梢留置型中心静脈カテーテル・逆流防止機能付き)の保険償還価格として13,800円がついた。これに伴ってPICCとしての手技料700点が新設された。結果的にPICC挿入の手技料は700点と下がったことにはなるが、診療報酬としては赤字にならずに使用可能となっている。今後、PICCは普及していくことと思われる。

図7

図7●ピックのX線写真
左尺側皮静脈から挿入され、腋窩静脈、鎖骨下静脈、無名静脈を経由して上大静脈に先端が位置している。カテーテルは4Frと細いが、放射線不透過ラインが入っているので走行の確認は容易である。腕から挿入するので、内頸静脈への誤挿入の可能性もあるが、腕を外転する、穿刺側へ顔を向ける、などの工夫をすれば、誤挿入の率を低くすることができる。

図8

図8●エコーガイド下でのピック挿入(クリックで拡大します)
aの静脈穿刺用エコーを用いて血管を同定し、穿刺器具を用いて穿刺する(b)。エコーでの静脈の同定は容易で、エコープローブで圧迫することにより静脈は凹むという所見で判断する。穿刺する静脈が同定できたら、プローブにニードルガイドを装着し、エコーガイド下に穿刺する。cの写真は穿刺のシミュレーション。

図9

図9●上腕ピック
エコーガイド下に、上腕で尺側皮静脈を穿刺し、上大静脈までカテーテルが挿入されている。肘の屈曲による滴下不良という問題も解決される。もちろん、挿入時に重篤な合併症は起こらない。今後、広く普及することが予想される方法である。

図10

図10●Groshongカテーテル
左尺側皮静脈カテーテルの先端は盲端となっているが、先端近くの壁にスリットが入っている。この構造のため、上大静脈の圧の範囲内では血液がカテーテル内に逆流しない。したがってヘパリンロックは不要である。また、輸液を投与する場合は陽圧がかかるためスリットが外側へ開き、血液を吸引する場合には陰圧のためにスリットが内側へ開く。

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