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キーワードでわかる臨床栄養

第12章在宅栄養管理

12-2:在宅での栄養ケア・マネジメント[nutrition care and management at home]

在宅での栄養ケア・マネジメント[nutrition care and management at home]
 栄養ケア・マネジメントは,ヘルスケアサービスの一環として,個々人に最適な栄養ケアを行い,その実務遂行上の手順を効率的に行うための体制である(参考文献12-2-4).スクリーニングにより対象者のおおまかな健康状態を把握し,問題を抱える人にはさらに詳細な栄養アセスメントを実施してその評価を行う.そのうえで栄養ケア計画を作成し,多職種連携協働による栄養ケアを実施していく.さらに定期的に栄養状態の再アセスメントを行い,サービスの評価と継続的な品質改善活動を行っていく.
 在宅療養の対象の多くは基礎疾患をもつ高齢者であり,栄養障害や摂食嚥下障害を伴っていることが多い.たとえ現在,栄養障害や摂食嚥下障害を示していなくても,在宅患者は栄養学的予備力は少なく,何らかの侵襲が加わることにより,容易に低栄養状態に陥るリスクを伴っている(参考文献12-2-5).そのため,管理栄養士が栄養ケア・マネジメントの視点をもってかかわることが必要である.さらに在宅での栄養ケア・マネジメントでは,患者の生活に合わせた栄養管理計画を立てることが大切である.それは経口摂取に限らず,経腸栄養胃瘻,経鼻胃管など)・静脈栄養(中心静脈,末梢静脈)においても同様である.患者・家族の負担を軽減するためにも,個々人の生活リズムにあわせた栄養投与ルートの選択が必要となってくる.在宅では病院・施設のように食のサポート体制が整っているわけではないため,管理栄養士が摂取量,水分量,食形態に加えて,食事の準備,買い物状況,介護力を定期的に確認し,患者および家族が実行可能な提案を継続して行っていくことが必要である.

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