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    第12章在宅栄養管理

    12-2:食の意思決定支援[advance care planning in eating]

    食の意思決定支援[advance care planning in eating]
     意思決定支援は,終末期に限らずすべての患者・家族の支援を行ううえで,欠かせない援助である.食においても「何が食べたい」,「どのように食べたい」,「どこで食べたい」,「誰と食べたい」,「口から食べづらくなったらどうしたい」など本人の気持ちを確認してから進まなければいけないことがいくつかある.食べることが好きな人,食べることに重きを置かない人など,その人の生き様がさまざまであるように,食に関する選択肢もいろいろである.本人が希望する選択ができるよう支援することが望ましいが,患者本人も何を希望してよいのかわからないことが少なくない.
     特に「口から食べづらくなったらどうするか」という選択においては,多くの人が意思決定をしづらいようである.なぜならどのような選択肢があって,それらを選ぶことでどのようになるのかを,十分にイメージできないまま選択していかなければならないからである.これから先どうなっていくのか,他に何か方法はないのか,誰に相談したらいいのか,医師には何度も聞けない,といった疑問や不安を抱えたまま生活していかなければならない.支援者は,本人・家族が状況を十分に理解できていない,情報が十分に届いていないということを理解したうえで,思いに寄り添う必要がある.食の意思決定には専門職がチームでかかわり,「何が希望」で「どこを目標」にするのか,そのために「どのようなリスク」があるのか,それらを共有したうえで何を優先的に行うのかを,患者・家族と一緒に考えて決めていくような支援ができることが望ましい.病状・状況の変化とともに患者・家族の思いが揺れ動くことも多い.最善を選択することは難しいが,患者・家族を含めたチームで考えることで「これでよかった」と納得のいく選択ができる.
     さらにこのような支援を円滑に行うために,支援者は,相手の伝えたいメッセージを言語化して返す「反復」,相手の心の準備ができるまで待つ「沈黙」,相手の支えを意識してたずねる「問いかけ」という援助的コミュニケーションの技法を習得する必要がある(参考文献12-2-9).

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