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    第11章高齢者の栄養管理

    11-1:長期療養病棟での栄養管理

    長期療養病棟での栄養管理
     従来,栄養管理の目的は疾病の予防・治療に限定され,予防においては疾病の発症リスクを遠ざけ,治療においては増悪防止に有効な食事療法が指導されてきた.つまり,栄養管理の目的は,発症リスクの低減と増悪防止であり,そのための摂取成分の増加や制限,さらに摂食・消化・吸収を良好にする食べ方の管理が行われてきた.しかし,高齢社会においては,疾患が複雑化すると同時に心身機能の状態が生活に影響を与えることから,個人がもつ内在的な心身機能を高めるための栄養状態の改善と,自立できる食生活を可能とする環境改善のための栄養管理が重要になってきた.特に長期療養病棟では,限られた心身の機能のなかで,疾病や障害の有無に限らず,元気で前向きに生活できるような栄養管理を検討する必要がある.疾病や加齢により,確かに人間は聴力や視力,移動能力など,いろいろな身体能力は低下するが,残された機能を活用して前向きに生活する,いわば「健康な傷病者」のための栄養管理が必要になる.
      加えて,低栄養状態になると体重減少と同時に,体温や脈拍数の減少,体力低下,浮腫,視力・聴力低下などの生理的変化が起こる.さらに,注目すべきは,集中力や注意力の低下,抑うつ,イライラ,無気力,ヒステリーなど,高齢者にみられる精神的変化が起こる(参考文献11-1-5).つまり,低栄養により疾病とは関係なく心身の機能低下が起こるのであり,長期療養病棟では,疾病の治療と同時に高齢者のQOLを維持・向上させるための栄養管理が必要である.その方法として,対象者の栄養状態を評価・判定する栄養アセスメント,それに基づいた栄養ケア計画,さらに実施すべき食事療法,栄養補給のモニタリングと再評価を実施しなければならない.このことにより,高齢者にみられる心身の機能を維持・改善させ,健康寿命を延伸させることができる.

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