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    第10章各疾患の栄養管理

    10-13:体重減少[weight loss]

    ■体重減少[weight loss]
     6カ月で10%の体重減少があれば,栄養状態は不良と考えられるので栄養療法が必要である.エネルギー摂取減少が2週間以上続いている場合は,体重減少(10%以上)がみられなくても,栄養素や微量元素の欠乏があると考えるべきである.皮下脂肪・筋肉量の消失がある場合には栄養状態不良と判断すべきであり,浮腫・腹水の存在などの症状がある場合は,体重の減少が明らかではなくても栄養状態不良のことがあるので,身体所見には十分注意する.

    ●リフィーディング症候群
     生体は飢餓や体重減少が激しいときには,エネルギー消費を抑えるように反応している.そこに大量の糖質が血液中に流入すると,急激なインスリン分泌が引き起こされ,その作用によりカリウムとマグネシウムが細胞内に急速に流入し,低カリウム・低マグネシウム血症が惹起され,不整脈を発症する.糖質からATPを産生するためにはリンが必要であることと,もともと飢餓状態で低リン血症が存在していることもあり,著明な低リン血症が出現する.溶血性貧血,痙攣発作,横紋筋融解などが起こり,呼吸筋機能も低下する.
     このような病態をリフィーディング症候群とよぶが,予防のためには糖質補給は緩徐に行い,アミノ酸や脂質,少量のリン酸カリウム,マグネシウム投与を考慮する.血清リン値が1 mg/dL以下の場合にはリン酸二カリウムを投与する.リンは体重の1%(総重量500~700 g)が体内にあり,その85%が骨に,14%が軟部組織にある.また,リンは細胞内の主な陰イオン(約100 mM)を構成し,無機リンとして存在するのはわずか1 mMにすぎない.細胞外液中に存在する無機リンは約500~600 mgで全体のわずか0.1%程度であり,血中リン濃度は細胞内外での移行や非経口的負荷および透析による除去などで変動しやすい.重篤な低リン血症では,2,3-DPGが低下しヘモグロビンの酸素飽和曲線が左方移動するので,酸素の末梢での放出が抑制され組織酸素欠乏が起こり,さらに横紋筋融解が惹起される.リフィーディング症候群については1-2:リフィーディング症候群[refeeding syndrome](https://www.nutri.co.jp/nutrition/keywords/ch1-2/keyword2/)も参照のこと.
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