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    第11章高齢者の栄養管理

    11-1:高齢者の生理的変化

    高齢者の生理的変化
     加齢に伴い全身の身体および精神的機能は低下し,かつ環境への適応能力が減退する.これらの変化は,各器官・臓器ごとに違い,個人や環境によって一様ではない.
     身体的には,身長の減少,椎間板の萎縮性変化,脊椎骨の扁平化,脊椎・下肢の彎曲,体重減少,皮膚の乾燥,歯牙の脱落が起こり,運動機能としては,動作が緩慢で不安定となり,筋力,持久力は低下する.身体の構成成分である筋肉の減少や痩せによる水分貯蔵の減退は脱水を起こし,骨量の減少により骨粗鬆症になりやすくなる.
     大部分の臓器が萎縮して,生理機能は全体的に低下するが,臓器によってその実態は様々である.例えば,循環器では心拍出量は低下する一方,血管内腔の狭窄・末梢血管抵抗の増大が起こり,肺の萎縮や弾力性の低下が起こる.消化器官では,口腔の乾燥,唾液・胃液・胆汁・膵液などの分泌量が減少し,咀嚼機能・嚥下反射・食道および腸蠕動運動の低下が起こることから,消化・吸収機能は全体的に低下する.また,舌乳頭や味蕾の数の減少,味細胞機能の減退などにより味覚の低下が起こり,舌や口腔粘膜の温度覚,触圧覚の減退により嗜好の変化も観察される.造血機能としては,赤血球・ヘマトクリット値・ヘモグロビン量の低下,血清鉄・鉄結合能の低下が起こる.
     精神的機能も全体的に低下し,特に脳は重量が減少し,脳の血管の弾力性も減じる.精神機能では,言語的能力,推理的能力,洞察力は比較的保持されるが,非言語的能力である知能効率,学習効率,記銘力,想起力が減退する.

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