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キーワードでわかる臨床栄養

第10章各疾患の栄養管理

10-17:リハ栄養における活動係数[activity index in rehabilitation nutrition]

リハ栄養における活動係数[activity index in rehabilitation nutrition]
 活動係数とは,1日エネルギー消費量を計算するときに考慮する身体活動量の数字である.日本人の食事摂取基準(2020年版)における健常高齢者(75歳以上)の身体活動レベル,つまり活動係数は,レベルⅠ(低い)1.40,レベルⅡ(ふつう)1.65である.一方,急性期病院の入院患者の活動係数は,1.0~1.3程度に設定されることが多い.しかし,生活機能を改善するための機能訓練を積極的に行っている場合,身体活動によるエネルギー消費量が多くなる.実際,活動係数が1.7程度では体重減少を認めることもある.そのため,積極的に機能訓練を行っている場合の活動係数は,1.5~2.0で初期設定して,モニタリングすることが望ましい.また,固縮,痙性による筋緊張亢進や振戦など不随意運動を認める場合には,エネルギー消費量が増加するため活動係数を0.1~0.2程度高くする.一方,弛緩性麻痺の場合には,エネルギー消費量が減少するため活動係数を0.1~0.2程度低くする.活動係数の決定には,機能訓練の内容,筋緊張,不随意運動の評価が必要なため,理学療法士や作業療法士が関与することが望ましい.

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