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キーワードでわかる臨床栄養

第9章静脈栄養法

9-3:リポタンパク[lipoprotein]

■リポタンパク[lipoprotein]
 ヒトの血中に存在しトリグリセリドを多く含む脂肪粒子はすべてリポタンパクの形態をとる(triglyceride -richリポタンパク).リポタンパクとは脂質とタンパクが結合したものであり,CMとVLDLがtriglyceride-richリポタンパクに相当する.2-4:リポタンパク[lipoprotein] https://www.nutri.co.jp/nutrition/keywords/ch2-4/keyword4/も参照のこと.人工脂肪粒子は血管に投与された当初はタンパクを結合していないのでリポタンパクの形態ではない.ただし人工脂肪粒子の加水分解酵素(リポタンパクリパーゼ=lipoprotein lipase:LPL)による加水分解においてはこの酵素活性を調整するタンパク成分の結合が必須となるが,最近の研究で人工脂肪粒子がタンパク成分を結合し,リポタンパクに類似した形態に変化する機構の存在が明らかにされた.この機構を「人工脂肪粒子のリポタンパク化」とよび,その詳細については後述する.

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