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    第2章栄養素とその代謝

    2-6:銅(Cu)[copper]

    ■銅(Cu)[copper]
     血清銅基準値:73~149μg/dL
     人体の銅(Cu)含有量は,1 mg/kgと推定され,その役割は,銅含有酵素として,貯蔵鉄動員作用,骨強度,白血球細胞の成熟,エネルギー代謝,メラニン形成,スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)による活性酸素除去などに関与していることがあげられる.体内では,筋肉に約40%,肝臓中に約8~15%,脳に約8%,血液中に約6%が分布している.銅は,体内では遊離イオンの形では存在せず,肝臓中では主にメタロチオネインと結合し,血清中では約90%の銅がセルロプラスミンと結合し,残りがアルブミン,α2マクログロブリンやアミノ酸などと結合している.
     銅の吸収は主に十二指腸,小腸で行われ,刷子縁表面に存在する1価銅イオンの担体(Ctr1)を介した促進作用により吸収される.吸収された銅は,アルブミンまたはα2マクログロブリンと結合し,門脈循環を経て肝臓に取り込まれ,メタロチオネインと結合して貯蔵型となる.肝臓中から血漿中には,セルロプラスミンと結合して放出される.
     排泄の主要経路は,胆汁を介して行われ,1日の吸収量の90%以上が胆汁中に排泄され,尿中,腸管,月経血,汗からの排泄量はわずかである.
     銅欠乏は,先天的には,劣性遺伝による銅吸収障害,細胞内銅輸送などの障害により銅欠乏が生じるメンケス症候群がある.後天的には,摂取不足,消化吸収不良,必要量増加,損失増加,銅非添加の高カロリー輸液施行,低銅濃度のミルクや経腸栄養を原因として起こり,鉄投与に反応しない貧血,白血球減少や好中球減少を伴う免疫機能の低下,骨粗鬆症,成長障害,心血管系や神経系の異常,毛髪の色素脱失,筋緊張低下,易感染性,コレステロールや糖代謝の異常などを呈する.
     一方,過剰症には,劣性遺伝疾患であるウィルソン病があるが,通常の食事では過剰症は出現しない.
     銅の栄養状態のバイオマーカーとしては,血清銅,セルロプラスミン,SODがあるがやや感度が悪いことが問題点としてあげられる.

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