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キーワードでわかる臨床栄養

第2章栄養素とその代謝

2-6:モリブデン(Mo)[molybdenum]

モリブデン(Mo)[molybdenum]
 モリブデン(Mo)は,体内でキサンチンオキシダーゼ,亜硫酸オキシダーゼ,アルデヒドオキシダーゼの補酵素として必須となっている.生体濃度は,0.14~0.20 mg/kg乾燥重量で,最も高い濃度を示すのは肝臓で次いで副腎,骨などとなっている.食品中の供給源としては,乳・乳製品,肝臓・腎臓などの臓器,穀物,豆類,緑黄色野菜などがあげられる.摂取されたモリブデンは,主に近位小腸で吸収され,吸収率は90~94%と推定される.血液中では赤血球と結合し,組織へ輸送され,モリブデン酸イオンとして代謝された後にすみやかに尿中へ排泄され,その量は,モリブデン酸の量に依存しており,体内のモリブデンの恒常性は排泄によって維持されている.なお,一部のモリブデンは胆汁中からも排泄される.
 モリブデンの欠乏症は,TPN施行患者以外,確認されていないのが現状である.

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