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キーワードでわかる臨床栄養

第10章各疾患の栄養管理

10-4:血糖コントロール[glucose control]

血糖コントロール[glucose control]
 熱傷ストレスによる糖新生やインスリン感受性低下による高血糖は,死亡率増加など予後を悪化させる要因である.このため,炭水化物は目標エネルギー量の最大55%とし,5 mg/kg体重/分以下の速度で,7 g/kg体重/日を超えないようにする(参考文献10-4-4),(参考文献10-4-12).インスリン持続静注は,外傷などの重症患者と同様に,血糖値が180 mg以上になる場合に開始する.ESPEN(参考文献10-4-4)は,血糖値を80 mg/dL以下にせず,140 mg程度に維持するよう提案している.インスリンには抗炎症作用やタンパク同化作用を認めるが,高用量投与による低血糖や低K血症には注意が必要である.最近,HbA1c>7%の糖尿病を有する重症患者に対しては,血糖値160~220 mg/dLのコントロールを勧める報告もある(参考文献10-4-13)が,熱傷を対象とした大規模研究はない.表3に当施設の非糖尿病の重症熱傷に対する血糖コントロールを示す. 表3

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