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キーワードでわかる臨床栄養

第1章栄養障害と栄養療法

1-2:るい痩[emaciation]

るい痩[emaciation]
 異常な体重減少るい痩(痩せ)と称し,BMIでは17 kg/m2以下とされている.原因としては,1栄養摂取の低下,2消化吸収障害,3エネルギー消費量の増大があげられる.疾患では精神疾患と消化器疾患が多い.
 ①消化器がんでは食道がん,膵がん,胃がんの進行がん患者に多い.②炎症性腸疾患と慢性膵炎では消化吸収障害がある.③甲状腺機能亢進症は代謝亢進で痩せるが,診断がつけば治療できる.コントロール不良の糖尿病,慢性閉塞性肺疾患(COPD),結核やAIDSなどの慢性感染症も,慢性的なエネルギー消費の亢進に加えて,末期には食事摂取も減少して高度のるい痩の原因となる.④摂食障害(拒食症)や認知症も食事を摂取しないことで痩せる.
 ①がんによるるい痩が通過障害によるものであれば,切除手術,バイパス手術,消化管ステント,抗がん化学療法などの治療により通過障害を解除する.末期がん状態による悪液質であれば不可逆的なので緩和ケアを行う.②炎症性疾患は成分栄養剤による栄養療法が有効なことも多いが,分子標的薬による薬物療法の治療の進歩で改善例が増えている.③代謝性疾患は薬物療法などを行うことで消耗を防ぐ.感染症も早期に薬物療法を行う.④拒食症は栄養サポートに加えて精神科的治療が必要である.認知症による食物摂取拒否に強制栄養を行うことは,本人にとって苦痛であれば行うべきではないと考えるが,本人の意思の確認ができないので家族の意向で行われていることも多い.

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