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キーワードでわかる臨床栄養

第10章各疾患の栄養管理

10-8:高トリグリセリド血症[hypertriglyceridemia]

高トリグリセリド血症[hypertriglyceridemia]
 遺伝的素因,食事,運動不足,糖尿病やメタボリックシンドローム,甲状腺や腎臓の疾患などによりトリグリセリドは上昇する.血中のトリグリセリドが多いと,LDLよりもさらに小さく血管内膜に入り込みやすいsmall dense LDLが増加する.一方,動脈硬化の発症,進展を抑制するHDLコレステロールは減少する.
●食事療法
 トリグリセリドの合成は,油脂類や糖質の過剰摂取により促進される.特に,フルクトース含有量の多い果物やスクロースを多く含む菓子類の過剰摂取に注意する.アルコールの摂取量を減らすことも有用である.また,総エネルギー摂取量を制限し,炭水化物エネルギー比率をやや低めに設定することで,トリグリセリドの改善が期待できる.さらに,魚油の摂取量を増加させることによりトリグリセリドの低下が認められており,エイコサペンタエン酸(eicosapentaenoic acid:EPA)やドコサヘキサエン酸(docosahexaenoic acid:DHA)などn-3系多価不飽和脂肪酸の摂取量を増やすことが勧められる.

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