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キーワードでわかる臨床栄養

第10章各疾患の栄養管理

10-10:脳梗塞患者の口腔ケア(口腔内清掃)[oral care]

脳梗塞患者の口腔ケア(口腔内清掃)[oral care]
 急性期脳梗塞患者では,意識障害,挿管による呼吸管理,絶食・食事制限に伴う口腔自浄能力の低下や薬物療法などにより口腔内環境は急激に悪化する(例:口腔乾燥,歯肉・口腔粘膜の易出血性,歯垢・舌苔の多量沈着,挿管操作およびチューブ留置による歯牙・歯肉の損傷など).また口腔は消化器・呼吸器の入り口であるとともにその組織は比較的血流がさかんで,全身的に菌血症などの続発症を容易に引き起こしやすい部位である.
 当院では,以下,2つの方法で口腔ケアを行っている.
①市販の歯磨き粉または7%ポビドンヨード含嗽剤(イソジン®ガーグル),10%ベンゼトニウム含嗽剤(ネオステリン®グリーン)などを用いて1日3回のケアを行う.歯芽・歯肉・舌が主な対象であり,綿棒と歯ブラシを使用し丁寧に清掃する.
②使用薬剤はほぼ同じであるが,対象部位として口蓋~咽頭入り口,歯肉頬移行部,チューブ(経管栄養チューブ,挿管チューブなど)などが追加される.使用器具としてスポンジブラシも頻用される.特に口腔軟組織や咽頭部に多量に付着している上皮落屑,膿の排除がポイントとなる.
なお,当病棟では医師および看護師が方法②の適応と考えた場合には,主治医が歯科口腔外科へ口腔ケアの依頼を行う.
そこで歯科医師により口腔内のアセスメントが実施され歯科スタッフも参加した口腔ケアがベッドサイドで連日実施される.

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