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    第6章栄養療法の実践

    6-2:急性期のエネルギー投与

    急性期のエネルギー投与
     Dudrick(参考文献6-2-4)らが中心静脈栄養法(TPN)の臨床的応用を開始した当初は“hyperalimentation”の名のとおり,正のエネルギー平衡をいかにして得るかという点から必要以上のエネルギーを投与する理論であった.このような高エネルギー投与を行った理由は消化管不全時は高いエネルギー消費が起こり,タンパク質がエネルギー源として使用され負の窒素出納に傾くとされていたためである.しかし,あまりにも高エネルギー投与を推し進めた結果,肝酵素異常,脂肪肝,免疫能の低下などの問題と関連することが認識されるようになった.しかも,これらの問題は大手術などの急性期の異化状態でより大きな問題になるとされていた.
     最近では急性期ではむしろエネルギーは控えめにしたほうがよいとの結果が報告され(参考文献6-2-5),組織の合成など同化時期になってはじめてエネルギーもタンパク質も正の平衡を得るようにエネルギー投与を考慮するようになってきた.
     今後はエネルギー投与量を考慮する際は生体全体のエネルギー平衡だけでなく,細胞レベルでその機能を改善維持するようなきめ細やかな投与方法が開発されるべきである.そのためのパラメータはREEの測定だけでは不十分で,むしろそれだけに頼れば過剰投与になることを考えておく必要がある.細胞の機能を推測できるような適切なパラメータの開発が急がれる.
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