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キーワードでわかる臨床栄養

第10章各疾患の栄養管理

10-15:呼吸不全[respiratory failure]

呼吸不全[respiratory failure]
 呼吸不全とは,「動脈血ガスが異常な値を示し,そのため生体が正常な機能を営むことができない状態」と定義されている(参考文献10-15-11).室内気吸入時の動脈血酸素分圧(PaO2)が60 mmHg以下となる呼吸障害,またはそれに相当する呼吸障害を呈する異常状態が呼吸不全である.また呼吸不全の状態が少なくとも1カ月間持続する状態を慢性呼吸不全としている.さらに呼吸不全は動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)45 mmHg未満のⅠ型呼吸不全と45 mmHg以上のⅡ型呼吸不全に分類される.
 慢性呼吸不全を呈する基礎疾患としてCOPD,肺結核後遺症,間質性肺炎,気管支拡張症,塵肺,肺循環障害などがあげられる.急性呼吸不全は敗血症,急性膵炎,多発外傷などに伴う急性呼吸窮迫症候群(acute respiratory distress syndrome:ARDS)が代表的病態である.急性肺炎,気管支喘息の重積発作,急性薬物中毒による呼吸抑制などによっても急性呼吸不全を呈する.

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