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    第9章静脈栄養法

    9-4:カテーテル関連血流感染(CRBSI)[catheter related blood stream infection]

    カテーテル関連血流感染(CRBSI)[catheter related blood stream infection]
     静脈カテーテル関連感染には細菌性末梢静脈炎も含まれるが,中心静脈カテーテルに発生するカテーテル関連血流感染(catheter related blood stream infection:CRBSI)が最も重要である(10-5:感染症~敗血症を中心に~(https://www.nutri.co.jp/nutrition/keywords/ch10-5/)も参照).CRBSIはカテーテル局所の感染にとどまらず,全身の血液感染症に発展し,ときに致死的となり,真菌性眼内炎に至り失明することもあり,特に注意が必要である.したがって中心静脈カテーテル管理上,予防すべき最も重要な合併症であり,発生した場合には速やかな対策が必要である.

    ① CRBSIの診断
     CRBSIの定義としてはTPN施行中に①発熱,白血球増多,核の左方移動,耐糖能の低下などの感染症を疑わせる症状があり,②カテーテル抜去により解熱,その他の臨床所見の改善をみた場合はすべてCRBSIの範疇に入れる.CRBSIには臨床的感染と生物学的感染がある.抜去時のカテーテルと血液培養の原因菌が一致するものを生物学的感染とするが,生物学的感染を臨床的に証明することが困難な臨床的感染であることが多い.
     診断は,①弛張熱などの臨床症状,②血液検査にて左方移動を伴う白血球数増多,CRPの上昇,血小板数の低下,血糖値の上昇,③血液培養,④他の感染源の検索などの結果から総合的に行う.

    ② CRBSIの予防
     CRBSIを引き起こす経路として,①カテーテル外表面を介する経路,すなわちカテーテル皮膚挿入部から微生物が侵入する経路,②カテーテル内腔を介する経路,すなわち輸液バッグ,輸液ラインから微生物がカテーテル内腔を通って侵入する経路,③他の感染部位から血液を介する経路,の3つに大別される.これらのCRBSIを防止するという観点からは③他の感染部位から血液を介する経路の予防はカテーテル管理上,困難であり,①②の経路からの微生物の侵入をできる限り防止することがCRBSIの予防には重要である.
      カテーテル皮膚挿入部からの感染を防止するためにはカテーテル挿入部の消毒とドレッシングが重要である.アセトン,またはアルコールで皮脂を取り除き,10%ポビドンヨード(イソジン®),またはグルコン酸クロルヘキシジンアルコール(ヒビテン®アルコール)を用いて挿入部を中心にドレッシングで覆う部位を中心から外側に向かって消毒を行い,消毒薬が乾燥してからドレッシング材で被覆する.ドレッシングには滅菌されたガーゼ型またはフィルム型のドレッシングを用い,週1~2回,定期的に交換する.イソジン®ゲルは感染率を低下させるというエビデンスが存在しないことから推奨されない(参考文献9-4-3).
     輸液はクリーンベンチで専門の薬剤師が調製することが原則である.輸液ラインは接続部のない一体型のものを用い,カテーテル,輸液ラインの接続にはクローズドシステムを用い,三方活栓を使用しないことを原則とする.輸液バッグへの輸液ラインの接続,側注ラインの接続,ワンショットの側注の際には酒精綿でなく理想的には70%エタノールにて消毒を行うことでラインを清潔に保つことが可能である.
    感染を防止の観点から中心静脈カテーテル挿入の際の滅菌にも十分に注意を払う必要がある.カ テーテル挿入時にはマスク,帽子,清潔手袋,滅菌ガウン,広い清潔覆布を用いた高度バリアプレコーション(maximal barrier precaution)を行う(図1)(参考文献9-4-4).使用するカテーテル内腔数は必要最低限となるようにする.
     図1●CVC挿入時の高度バリアプレコーション

    図1●CVC挿入時の高度バリアプレコーション
    A:マスク,B:帽子,C:清潔手袋,D:滅菌ガウン,
    E:広い穴あきコンプレッセン

     定期的にカテーテルを入れ換える必要はないが,弛張熱などの臨床症状,白血球数,CRP,他の感染源の検索などのモニタリングを常に行い,CRBSIがないかをくり返し確認する.
    CRBSIが疑われた場合には直ちにカテーテルからの血液培養を施行し,カテーテルを速やかに抜去し,さらにカテーテル培養も行うことを原則とする.真菌によるCRBSIを疑った場合には必ず眼科的診察も行う.栄養サポートチームによるカテーテル管理を行うことによりCRBSIの発生頻度を低下させるとするエビデンスもあることから,積極的に栄養サポートチームによる管理を推進することも重要である.
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