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    第9章静脈栄養法

    9-1:末梢静脈栄養法(PPN)[peripheral parenteral nutrition]

    ■末梢静脈栄養法(PPN)[peripheral parenteral nutrition]
     四肢の末梢静脈内に短いカテーテルを挿入し(図3,4),比較的浸透圧の低い栄養輸液を投与する方法で,peripheral parenteral nutrition(PPN)と呼ばれる.一般に,10~14日の静脈栄養法ではPPNで管理が可能とされているが,PPNとして投与できるエネルギーには限界があるため,不十分な栄養管理になる危険性もある.脂肪乳剤をうまく併用することにより,1,000 kcal程度を投与することは可能である(図5).これは,脂肪が1 gあたり9 kcalという高い燃焼効率を有すること,浸透圧比が1であること,などのためである.
    図3●末梢静脈栄養</a>法

    図3●末梢静脈栄養法
    末梢静脈にカテーテルを挿入し,糖,アミノ酸,脂肪乳剤からなる浸透圧比が3以下の輸液を投与する栄養療法.比較的短期間栄養状態を維持することを目的に実施される.栄養状態が不良な症例に2週間もPPNを実施すると逆に栄養状態が低下する危険性がある.PPNを実施していることで栄養管理ができていると安心してしまう傾向があるが,体重あたりどれだけのエネルギーやタンパク質が投与できているのかを考えながら管理する必要がある.

    図4●PPNに用いられるカテーテル

    図4●PPNに用いられるカテーテル
    短いカテーテル(short catheter)を用いる.電解質輸液のみを投与する場合は1週間以上の留置が可能であることも多いが,PPNとして実施する場合は1週間留置することはできない場合が多い.輸液組成が重要な因子となる.カテーテルの留置は比較的簡単であり,最近は看護師が留置している施設も多くなっている.また,リスクマネジメントの観点から,針刺し事故防止機構がついたカテーテルが使用されるようになってきている.

    図5●PPN投与方式

    図5●PPN投与方式
    一般に,PPN用アミノ酸加糖電解質液を投与する輸液ラインに,脂肪乳剤を側注する方法が行われている.脂肪乳剤の側注ラインは,三方活栓を用いて接続される場合が多い.両者を混合して投与する方法は,脂肪の粒子径が大きくなるので,推奨される方法ではない.側注する脂肪乳剤は,比較的短時間で投与される傾向があるが,生体の加水分解能力を考慮すると,20%脂肪乳剤の場合は(体重/2)mL/時以下の速度で投与すべきである.

    ① PPN輸液の投与法
     現在,最もよく使用されているPPN用輸液の組成を図6に示す.グルコース濃度が7.5%,アミノ酸濃度が3%となっている.これを2,000 mL投与すると,グルコースとして150 g(=600 kcal),アミノ酸として60 g(=240 kcal)となる.総エネルギーとしては840 kcalにすぎない.したがって,この処方で1週間もPPNを実施すれば,ほとんどの症例ではエネルギー投与量としても不足することになる(体重50 kgの場合のエネルギー投与量:16.8 kcal/kg体重/日).これに20%脂肪乳剤を200 mL加えると,脂肪乳剤からのエネルギーが400 kcalとなるので,総エネルギー量は1,240 kcal(体重50 kgの場合には24.8 kcal/kg体重/日)となり,栄養障害が軽度で,栄養状態の維持を目的とする場合は,ある程度の期間,実施可能であると考えられる.しかし,いたずらにPPNを継続することは,逆に栄養障害の状態を作り出すことになる危険性もあることに注意する必要がある.また,この処方で,PPNから高エネルギーを投与しようとすると,輸液量が過剰になる場合があることにも注意する必要がある. 図6●推奨される標準的PPN組成

    図6●推奨される標準的PPN組成
    アミノ酸加糖電解質液2,000 mLと,20%脂肪乳剤200 mLを投与する組成.アミノ酸投与量は60 gとなるので,体重50 kgの場合には1.2 g/kg体重/日を投与することができ,比較的短期間の栄養投与法として有効である.エネルギーとしても24.8 kcal/kg体重/日となり,栄養状態が比較的良好な症例に対する,栄養状態維持を目的とした場合には有効な処方であろう.しかし,輸液量が2,200 mLであり,体重50 kgの場合には44 mL/kg体重/日となるので,輸液量が過剰になる可能性もある.心不全徴候などに注意する必要がある.

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