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キーワードでわかる臨床栄養

第10章各疾患の栄養管理

10-7:ポリファーマシー[polypharmacy]

ポリファーマシー[polypharmacy]
 ポリファーマシーとは,複数の薬剤を併用することにより副作用などの有害事象発現が増加することを指す.具体的には,薬剤相互作用による副作用発現,転倒・骨折,認知症の惹起,薬剤反応による入院・死亡を含む有害事象とQOLの低下などがあげられる.糖尿病患者は,非糖尿病患者よりもポリファーマシーとなるリスクが2.65倍(参考文献10-7-10)との報告や,75歳以上の薬物療法中の糖尿病患者の約80%はポリファーマシー(参考文献10-7-11)とする報告などがある.
 高齢者では,①体脂肪の増加に伴い脂溶性剤の血中濃度は低下するが組織に蓄積しやすくなること,②血清アルブミン値の低下により薬物のタンパク質結合率は低下して薬効が出やすくなること,③腎機能や肝機能の低下や循環血流量減少に伴い,薬物の血中濃度が増加しやすいことにより,有害事象が出やすくなる.また代謝酵素CYP450 を共有する薬剤の相互作用にも留意する(参考文献10-7-9).個人差と潜在的な機能低下を 考慮し,処方を検討する必要がある.

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