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第9章高齢者の栄養管理

9-2:アンチエイジング医療から見た栄養ケアと抗酸化ストレス

■はじめに
 年齢には、加齢(物理的)年齢と生物的年齢(老化)がある。前者は不可抗力で時間の経過とともに毎年歳を1つずつとっていくことである。後者は精神的・身体的(解剖・生理/生化学機能)の老化であり、必ずしも加齢とともに、同じスピードで老化していくとは限らない。それぞれ個人の差が大きい。加齢とともにいろいろな生理・生化学的変化が起こる。発現の時期は個々別に異なることが特徴である。しかし程度の差はあれ共通の変化が多い。除脂肪体重の減少、骨密度の低下、貯蔵脂肪組織の分布変化、体水分量の減少など。また栄養欠乏・不足に陥りやすく、多くは無症状性低栄養状態となる。加えて老化に伴ういろいろな疾患群を併発し、身体的、心理的、精神的変化として、機能面で日常身体活動(ADL)の低下を見、また認知への影響も大きい。生理的ストレスに対して遅延反応が観察される。
 栄養的視点からみると、咀嚼力の低下(歯の脱落、咀嚼筋力の低下など)、味覚の低下、口腔衛生の低下(歯肉の慢性炎症)、嚥下能の低下、摂取量の低下(運動量の低下)、消化吸収率の低下、便秘の増加、精神的問題(特にうつ病)、器質性多疾患、多薬、社会からの隔離、経済的問題、また個人差の大きさなどであろう。
■1 抗加齢(アンチエイジング)医療
 アンチエイジング医療とは包括的老化マネジメントであり、健康長寿の遅延、すなわち本来の寿命にできるだけ近づけ老年医療費の節減などを目的とし、意義のある自立的100歳以上を目指すことがこれからの少子超高齢化社会にますます重要となる。また身体的・精神的・社会的に高齢者が各自の潜在能力をできるだけ生かし、幸せな健康長寿への発展を可能にするパスでもある。21世紀の医療は、未病対策、予防老年学、医療介護予防などが大切な課題になる。老化とともに起こる生活機能の低下の予防・維持・向上によって各々のQOLの維持をできるだけ長くすることにある。物理的加齢に病的な変化が加わる結果、生物的加齢が加速される。アンチエイジング医療ではこの病的老化の進行を防止し、治療することでもある。
■2 アンチエイジング医療のテイラーメイド臨床アプローチ
 アンチエイジング医療では個々の臨床的対策を次のように行う。

A.
アンチエイジング医療を希望する個々の方々の、すべての現症ならびに既往プロブレムを総括することから始まる。詳細な既往歴(過去に受けたいろいろな疾病診断ならびに治療経験など)・家族歴・現症歴・各臓器のシステムレビュー・性格分析・嗜好・趣味・生活習慣・個々の教育・社界的・経済的履歴また身体検査所見を含む。

B.
包括的老化度診断法に基づく老化度評価である。これはアンチエイジング包括老化評価ドックで施行される。すなわちテイラーメイド老化度システムの評価は、図Ⅰに示したように臓器別ならびにその生理的・生化学的老化の度合いをテイラーメイドでチェックして1人1人の老化度の全体像を把握し、その各々の老化に伴う変化を矯正することにある。栄養評価、計画、実施、モニタリングのPDCA(Plan-Do-Check-Assessment)プロセスの導入もこれらの老化度システムに伴って個々別に栄養療法が施行される。

C.
以上A、Bの情報によって包括的アンチエイジングテイラーメイド治療マネジメントを施行する。

 それらは、①食事栄養療法、②運動療法、③マインド・ボディ・スピリッツ療法(リラクゼーションを含む)、④環境療法、⑤医薬品による療法、⑥個々別の臓器システムをターゲットにした、選択的アンチエイジング療法または治療、⑦栄養素サプリメント療法、すなわち、一次予防〔基本となる共通のベーシックサプリメント(生命を維持するのに必要な栄養素、ビタミンミネラル、微量元素などを含む)〕、二次予防(健康維持・疾病予防サプリメント)、三次予防・介入(疾病治療・合併症予防またはオプショナルサプリメント)、⑧教育・社会・経済関連のアプローチ、⑨国内外の信頼できる総合病院の特殊外来紹介などである。
図Ⅰ

図Ⅰ●テイラーメイド老化度システムの評価

■3 アンチエイジングの視点から見たこれからの高齢者栄養ケア
 アンチエイジング医療のなかの栄養管理はまず、一般的臨床栄養管理ケアから始めなければならない。栄養スクリーニング、栄養アセスメント、ケアプラン、実施、モニタリング、評価と、このPDCA(Plan-Do-Check-Assessment)サイクルが基本である。それに加えて病態別臨床栄養管理ケアが行われる。後述の図1で説明するように、この中で最も大切なことは抗酸化ストレス対策、免疫強化対策(抗アレルギー対策を含む)、ホルモン補充対策ならびに適正カロリー制限導入となるが、臨床栄養ケアを中心に考えると、抗酸化栄養、免疫強化栄養、抗がん栄養、ホルモン欠乏補充栄養、メタボリック調整栄養、脳機能活性化栄養ならびにカロリー制限などを組合わせ、運動療法ならびにマインド・ボディ・スピリッツ療法が同時に行われなければ最も効果のあるアンチエイジング栄養療法(図Ⅱ)は望めない。
 これからの高齢者臨床栄養ケアは抗加齢(アンチエイジング、老化防止)の視点に立って、EBM(evidence-based medicine)を中心にした現在の臨床栄養管理法を基盤にして個々の健康長寿への効果を最大限に上げるように包括的栄養療法の改革が求められる。この包括的臨床栄養ケアは、1人1人の高齢者に最も質の高い臨床栄養管理ケアを提供するものであり、抗加齢(アンチエイジング)機能のある抗酸化、免疫強化、ホルモン補充栄養療法、摂取カロリー適正制限(30%)長寿療法などを現栄養ケアに導入することが必要である。またアンチエイジング医療も十分に修得してそれを実践できるアンチエイジング臨床栄養ケアのスペシャリストの育成も大切となる。そして生活習慣病の予防を中核とした、包括的老年予防医療による健康長寿の栄養ケアの提供ができたらすばらしいことである。
図Ⅱ

図Ⅱ●効果のあるアンチエイジング栄養療法のモデル
臨床栄養ケアを中心に考えると、抗酸化栄養、免疫強化栄養、抗がん栄養、ホルモン欠乏補充栄養、メタボリック調整栄養ならびに脳機能活性化栄養などを組合わせ、運動療法ならびにマインド・ボディ・スピリッツ療法が同時に行われなければ最も効果のあるアンチエイジング栄養療法は望めない。さらに適正栄養素バランスを維持した摂取カロリー制限(30%CR)もアンチエイジング・生命延伸効果があり、酵母、線虫、マウス、サルで確認されている。

図1

図1●健康長寿のためのテイラーメイド・ホリスティック・アンチエイジングプログラム
(川西秀徳、2011)(クリックで拡大します)

■おわりに
 これからの高齢者臨床栄養ケアは抗加齢(アンチエイジング)、老化防止の視点に立ってEBMを中核にしたうえで現在の臨床栄養管理方法を基盤にして、個々の健康長寿への効果を最大限にあげるよう包括的栄養療法の変革が求められる。この包括的臨床栄養ケアは、1人1人の高齢者に最も質の高い臨床栄養ケアを提供するためにアンチエイジング機能のある抗酸化、免疫強化、ホルモン補充栄養療法、適正な摂取カロリー制限長寿療法などを現栄養ケアに導入することが必要である。特に抗酸化療法は、老化現象が酸化ストレスと非常に密接な関係にある点から、抗酸化栄養療法が最も基本的であり、最も大切なものと考える。内因的ならびに外因的ストレスによる活性酸素種・フリーラジカルの除去の最大限の機能システムを個々別に提供することが、とりもなおさず現時点では、最も効果的な老化予防また生活習慣病ならびに癌の予防につながる。

【執筆】川西秀徳氏
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