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第3章栄養素とその代謝

3-3:タンパク質代謝

■1 タンパク質の生体における意義
 タンパク質は、核酸、多糖類とともに、細胞、組織の主要な有機生体分子である。タンパク質は、アミノ酸からなるが、アミノ酸は結合してペプチドとなり、さらに高次構造(タンパク質の高次構造)が構成される。タンパク質は人体の乾燥重量の3/4を占め、生物システムにおいて最も多彩な機能をもつ高分子であり、事実上すべての生物学的プロセスに重要な役割を果たしている。その働きは、触媒、酵素など他の分子の輸送や貯蔵、物理的支持や免疫防御、運動の発生、神経インパルスの伝達、細胞の増殖や分化の制御と、実にさまざまである。構造タンパク(糖タンパク、コラーゲン)、輸送タンパク(ヘモグロビン、ミオグロビン、血清アルブミン)、収縮タンパク(ミオシン、アクチン)、防衛タンパク(抗体、フィブリノーゲン、トロンビン)、ホルモン(インスリン、ACTH、成長ホルモン)、貯蔵タンパク(カゼイン、フェリチン)などがある。
■2 タンパク質の同化と異化
A. アミノ酸・タンパク質代謝
 タンパク質代謝の異化と同化の過程では以下の変化が生じる(図Ⅰ)。70kgの男性では、10〜11kgの体タンパクがあり、そのうち250〜300gのタンパクが毎日入れ替わる(約3%)。外因性(食事性)タンパクは100gとされ、腸管内の消化液、剥離脱落した腸細胞、漏出した血漿タンパクなどの内因性タンパクの吸収と合わせ160gが消化管から吸収される。アミノ酸は門脈を通って肝臓に入り、必要量の血清タンパクなどの合成に使われ、ほかはアミノ酸プールに入る。細胞内では再びタンパク質に取り込まれるもの、脱カルボキシル化されて生体アミンとなるものなどがある。アミノ酸プールも一定量を越えると過剰分は分解され、グリコーゲンや脂肪(貯蔵物質)に変換される〔3-2:糖質代謝図Ⅰ図Ⅴを参照〕。
 遊離アミノ酸は、新しいタンパク質の合成(70〜80%)やエネルギー基質として用いられ(20〜30%)、また、尿素・アンモニア・ケトン体・グルコース・二酸化炭素に代謝される(図Ⅰ)。肝臓では、アルブミン、フィブリノーゲン、ガンマグロブリンのような主要血漿タンパク質20gを合成する。白血球代謝に20g、ヘモグロビンに8gを合成する。また、非タンパク質性誘導体として、ポルフィリン、プリン、ピリミジン、神経伝達物質、ホルモン、複合脂質、アミノ糖の合成にも使用される。
 タンパク喪失については、過剰なアミノ酸が脱アミノ化して尿素が合成され、尿素回路を経て、腎臓に運ばれ、尿中に排出される窒素が12.8g(タンパクとして80g)あり、便中への窒素排泄1.6g(タンパクとして10g)に加えて皮膚から0.32g(タンパクとして2g)が喪失するとされる。
 骨格筋は、筋タンパク質を血漿アミノ酸より合成する。合成量は50gとされるが、筋肉は体重の約50%を占めるので、タンパク質の重要な貯蔵源であり、特に侵襲下では血漿アミノ酸の供給に利用される(図Ⅱ)(3-2:糖質代謝図Ⅰを参照)。
図Ⅰ

図Ⅰ●アミノ酸・タンパク質代謝(クリックで拡大します)
参考文献3-3-1より引用)

図Ⅱ

図Ⅱ●侵襲時にみられる体タンパクの分解とアミノ酸の流れ(クリックで拡大します)
参考文献3-3-2より引用)



B. タンパク異化亢進
 生体に侵襲が加わると、エネルギー代謝は亢進し、損傷された組織を修復しようとする。これは、脂肪を主なエネルギー基質としタンパクを温存しようとする飢餓時のエネルギー代謝抑制とは大きく異なる。糖質からだけでは増加したエネルギー消費量を補うことができないために、生体は筋タンパク質を崩壊し、グルタミンやアラニンなどのアミノ酸を動員する(図Ⅱ)。このアミノ酸糖新生により肝臓でグルコースに変換され、それが血液中に放出されて損傷した組織タンパク合成の基質として利用される。また、赤血球、脳のエネルギー源としても利用される。これをmuscle-liver fuel systemと呼ぶ。腸管のグルタミンはアラニンに転換され、肝臓へ供給され、グルコースが生成されて、それがエネルギーとして利用される(gut-glutamine cycle)。大手術、重度外傷、熱傷などの高度な侵襲が生体に加わると、全身のタンパク合成もタンパク分解も亢進するが、分解のほうが合成よりも亢進し、その結果として、各種の身体機能の低下を来す。
 タンパクは多様な機能に関与するために、タンパク異化亢進は予後を悪化する。除脂肪体重(lean body mass)は、体重から体脂肪量を引いて計測される値で、体脂肪を除いた骨格筋、骨、内臓の重量を表す。栄養不良によるlean body massの減量は、筋肉量の減少(骨格筋、心筋)、アルブミンなどの内臓タンパクの減少、免疫能の障害(リンパ球、多核白血球、補体抗体、急性相タンパク)、創傷治癒遅延、臓器障害(腸管、肝臓、心臓)、生体適応の障害を引き起こし、タンパク質減少の最終像は、nitrogen death(窒素死)を引き起こす(図Ⅲ)。
図Ⅲ

図Ⅲ●lean body massの減少とnirogen deathの流れ参考文献3-3-3より引用)



C. 窒素バランス
 全身のタンパク合成とタンパク分解のバランスは、投与したタンパクあるいはアミノ酸の窒素量から窒素排泄量を引くことで計測できる。栄養投与することにより、飢餓状態でのタンパク異化亢進を抑制でき、これをタンパク節約効果(protein sparing effect)と呼ぶ。

【執筆】宇佐美眞氏、三好真琴氏、濱田康弘氏
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