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キーワードでわかる臨床栄養

第10章各疾患の栄養管理

10-10:嚥下性肺疾患[swallowing-induced lung disease]

嚥下性肺疾患[swallowing-induced lung disease]
 脳卒中では,胃液の誤嚥による化学性肺炎(Mendelson症候群),さらに誤嚥性肺炎,びまん性嚥下性細気管支炎,沈下性肺炎などの嚥下性肺疾患を併発しやすい.
咽頭防御反射の減弱ないし消失,声帯および食道平滑筋の機能不全,咳反射の減弱,呼吸筋の機能不全,唾液分泌の亢進などが原因としてあげられる(8-5:誤嚥性肺炎[aspiration pneumonia]https://www.nutri.co.jp/nutrition/keywords/ch8-5/keyword1/も参照).病態に応じて嫌気性菌に効く抗菌薬やステロイドの併用がなされる.
嚥下障害に対しては,抗パーキンソン病薬であるアマンタジン(シンメトレル®)やL-ドーパ製剤(マドパー®など)が有効な場合がある.不穏や夜間せん妄をきたすことがあるため朝や昼中心に投与する.
また誤嚥性肺炎予防に関してアンジオテンシン変換酵素阻害薬(タナトリル®など)の有効性も報告されている.なお嚥下障害を増悪させる可能性のある薬剤についてもチェックする必要がある.

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