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キーワードでわかる臨床栄養

第10章各疾患の栄養管理

10-11:必須アミノ酸輸液[essential amino acids]

必須アミノ酸輸液[essential amino acids]
 腎不全ではタンパク・アミノ酸代謝異常が存在するため,多量の窒素源の投与は窒素代謝産物の蓄積をきたしてしまう.一方,その投与が少ない場合には,窒素平衡を維持できずにタンパク異化がさらに進行するというジレンマに陥る.この二律背反の命題をいかに克服するかが,腎不全患者の栄養管理をしていくうえでの長い間の課題であった.
 必要最小限の窒素源投与の観点から,8種類の必須アミノ酸(essential amino acids:EAA)と十分なエネルギーを投与することで,腎不全患者の尿毒症症状の改善が得られることが実験的に示された.その結果を受けDudrick(参考文献10-11-2)らにより腎不全患者用の高カロリー輸液処方が始まった.このEAA療法は腎不全患者の窒素源投与における二律背反の問題を克服するものとして注目された.さらに,このEAAのコンセプトをもとにして,腎不全ではEAAとされるヒスチジンを添加したアミノ酸輸液が初期の製剤として開発されるようになった.

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