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飲み込みが難しい高齢者の非常食備蓄ポイント ー3月11日、東日本大震災から11年 非常食の見直しを―

2022年03月11日

  • お知らせ
災害発生時は、電気・水道・ガス等のライフラインが遮断され、普段通りの食事ができないことや長期間の避難所生活を強いられることがあります。
3/11 東日本大震災時には、"パン"や"おむすび"などが避難所で配布されましたが、高齢者の方々には、飲み込みに問題のある方もいらっしゃったことから、食事が十分に摂れなかったとの報告もありました。市販の非常食を活用した食料備蓄の習慣も広がっていますが、飲み込む力が低下している高齢者へは特別な配慮が必要です。
特に高齢者では、必要な栄養が摂取できなくなるとその影響が長期に続きやすいといわれており、サルコペニア・フレイル(加齢による筋肉量の減少・虚弱)に陥る危険性もあります。さらに、不適切な食事による誤嚥が、誤嚥性肺炎に進行してしまう可能性も。
約60年にわたり、通常の食事から十分に栄養素を摂取できない方のために、えん下サポート食品などの「栄養療法食品」を開発、製造、販売してきたニュートリーから、飲み込む機能が低下した高齢者が非常時でも安心して食事を摂取でき、本人や家族の不安を少しでも取り除けるよう、非常食備蓄のポイントについて提案いたします。

≪飲み込む機能の低下した方の非常食備蓄ポイント≫
1、飲み込みやすい食品を上手に選択
2、避難段階別の備蓄を  非常用持ち出し袋/災害発生直後~数日間/在宅避難が長期化したとき
3、ローリングストックで非常食を有効活用
4、高齢者用の栄養補助食品を家族全員で活用


1、飲み込みやすい食品を上手に選択
一般的な非常食や、災害時に支援物質として届けられる食料には、飲料などの"さらさら"したもの、パンやクッキーなどの"ぱさぱさ"したもの、おにぎりなど"パラパラ"したものが多くなります。これらは飲み込む機能が低下した方にとって、飲み込みにくい食品です。うまく飲み込めず、むせてしまう、せき込んでしまうことを嫌がり、食事を避けてしまう場合もあります。

◆「やわらかい」「まとまりやすい」「ベタつかない」食事を
飲み込む機能が低下した方には、飲み込みやすさの3つの条件(やわらかい、まとまりやすい、ベタつかない)をみたした食品を準備しましょう。
◆栄養にも配慮を
非常食は炭水化物中心の食事になりがちで、栄養バランスが偏り、たんぱく質や、ビタミン・ミネラルが不足しやすくなります。栄養がバランスよく配合された補助食品も活用しましょう。

【飲み込むことが低下した方の備蓄食品の例】
・えん下困難者用食品(ゼリー、とろみ)
・レトルト介護食品
・お好みの食品、飲み物  など


2、避難段階別の備蓄を
避難段階ごとの状況にあわせた備えが大切です。
"えん下が困難な方に適した食品"として消費者庁から認められている、特別用途食品「えん下困難者用食品」は、そのまま飲食できる個包装のものもありますので備蓄用にもお役立ていただけます。


【避難段階ごとの備蓄の種類と注意点】
◆災害発生当日◆
〈備蓄の種類〉
非常用持ち出し袋・・・最初の1日間をしのぐ最低限の備え

〈注意点〉
・避難時にすぐ持ち出すことができる
・食べやすく、コンパクトで持ち運びやすい

〈備蓄量の目安と具体例(1人分)〉※1日分
・1L相当の水分(そのまま飲める、えん下困難者用の水分補給ゼリーなど)
・そのまま食べられ、少量で高エネルギーが摂取できる食品


◆災害発生直後~数日間◆
〈備蓄の種類〉
家庭用備蓄・・・ライフラインの再開、支援物資の到着までをしのぐ備え

〈注意点〉
・主食、主菜、副菜を揃え、加熱不要でも食べられる

〈備蓄量の目安と具体例(1人分)〉※3日分
・3L相当の水分(飲料水として)
 そのまま飲める、えん下困難者用の水分補給ゼリー、または水にとろみをつける、えん下困難者用「とろみ調整用食品」
・主食:レトルトの粥
※水分の少ない米飯、パン、麺類は適さない場合あり
・主菜:レトルトのやわらかいおかず
※ぱさぱさした魚や固い肉の缶詰、乾物などは適さない場合あり
・副菜:ビタミン、ミネラルの補給源となる食品
 栄養バランスに配慮された、えん下困難者用の栄養補助ゼリーなど


◆長期化したとき◆
〈備蓄の種類〉
物流の再開、食料供給の復活までをしのぐ備え

〈注意点〉
・栄養バランス
・メニューのマンネリ化や精神面への配慮

〈備蓄量の目安と具体例(1人分)〉※2週間分
・食べ飽きないよう味のバリエーションを用意する
・食欲が出ないときのためのゼリーや汁物
・おいしさ、楽しみになる菓子類等


3、ローリングストックで非常食を有効活用
非常食の備蓄は、日常の食生活に取り入れ、賞味期限の古いものから順に消費し、消費した分を買い足す「ローリングストック」という方法がおすすめです。レトルト食品が苦手な高齢者も多いため、好みのものを見つけ食べ慣れておくことで備えることができ、日々の調理の手間削減にも役立ちます。農林水産省が公開している、「要配慮者のための災害時に備えた食品ストックガイド」では、非常時は特殊食品が手に入りにくくなることが想定されるため、要配慮者は「少なくとも2週間分」の備蓄を推奨しています。


4、高齢者用の栄養補助食品を家族全員で活用
高齢者用の栄養補助食品は食べやすいだけでなく、少量しか食べられない方でも効率よく栄養補給できるように、バランスよく多くの栄養が配合されているものが多くあります。年代問わず家族みんなで有効活用しましょう。

参考:農林水産省 「要配慮者のための災害時に備えた食品ストックガイド」
農林水産省 家庭用食料品備蓄ガイド



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ニュートリー株式会社では、飲み込む機能に配慮した製品を販売しています。

●水分補給 「アイソトニックゼリー」
消費者庁から特別用途食品「えん下困難者用食品」の表示許可、農林水産省から、飲み込むことに問題がある方向けの食品である「スマイルケア食 赤0」マークの利用許諾を得ています。えん下困難者の水分補給に適しています。

●主食 「そく粥」「そく粥つるり」
粉末を熱湯に入れて混ぜるだけで、なめらかなペースト状、またはゼリー状のお粥を簡単に作ることができる介護食品です。α化米粉を使用し、お米の美味しさや風味を味わうことができます。賞味期限は1年間。
※「そく粥」は水での調理も可能。

●副菜 ミキサー加工食品「ブレンダー食ミニ」
ミキサー加工してあり、噛まなくても食べることができます。10種類のバリエーションがあり日常の食事にも取り入れやすく、ローリングストックにも最適です。常温で18か月保存可能。
※嚥下食害の程度に応じて利用しましょう。

●栄養補給 「ブイ・クレスCP10ゼリーミックスフルーツ」
12種類のビタミン、鉄・亜鉛などのミネラルに加え、たんぱく質の1種であるコラーゲンペプチドを10g配合したゼリー。「えん下困難者用食品」、「スマイルケア食 赤0」のマーク付。嚥下困難者へのビタミン、ミネラル、たんぱく質の補給におすすめです。
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【NUTRI関連ページ】
製品情報「アイソトニックゼリー(えん下困難者用食品)」
製品情報「そく粥/そく粥つるり」
製品情報「ブレンダー食ミニ」
製品情報「ブイ・クレス CP10(シーピーテン)ゼリー ミックスフルーツ(えん下困難者用食品)」

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