たんぱく質を抑えた食事療法でも、
エネルギーはしっかりチャージ。

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腎機能低下は、尿毒症など他疾患にも。
たんぱく制限で腎臓の負担軽減に。

 腎臓機能が低下しているなどの理由から、病院で「たんぱく質の量を減らすように」と栄養指導を受けている方もいるでしょうか。ではなぜ、たんぱく質を控える必要があるのでしょう? 腎臓の機能が低下してくると、たんぱく質が代謝されてできる老廃物が腎臓でろ過・排出がされず体内に蓄積され、腎臓へ負担がかかるように。すると尿毒症など他の疾患にもつながります。たんぱく質を控えることは、たんぱく質の代謝物を減らすことができ、腎臓への負担も軽減できるため、食事療法として必要とされているのです。

おかずを控えれば、たんぱく制限?
摂取エネルギーが不足すると、低栄養に。

 たんぱく質を制限している方にとって、たんぱく質といえば「おかず」のイメージがあり、まずは「おかずを食べないように」と工夫されると思います。しかし、たんぱく質は肉や魚だけでなく、ごはんやパン、めん類などの主食にも含まれています。これらも同時に控えると、エネルギーが必要量に満たない状態が続き、蓄えられていた脂肪や体たんぱく(筋肉)がエネルギーとして燃やされ、体内の尿素窒素が増えます。結果的に、たんぱく質を多く食べたことと同じ状態になり、たんぱく質を制限する意味がなくなってしまいます。

「何をどう食べればいいの?」、
答えは「たんぱく質調整・高エネルギー」食品。

 「たんぱく制限も」、「必要なエネルギーの確保も」となると「何を、どう食べたらいいのか、わからない…!」というのが悩むところ。たんぱく調整とともに、必要な栄養素を補給できる食品をいかに上手に選び、取り入れるかが、重要なポイントです。では、何をどのようなバランスで食べたら良いのでしょうか?1)

良質なたんぱく質を選ぶ

 まず主菜には、体内で利用されやすい「必須アミノ酸」をバランスよく含む「良質なたんぱく質(肉・魚・大豆製品・卵など)」を選ぶこと。一方、加工食品(ハム、ソーセージ等)や練り製品(はんぺんやかまぼこ等)、佃煮や干物などは塩分が多いため、控えましょう。

油脂類を多めに使って調理する

 「油脂類」は、たんぱく質を含まず高エネルギーのため、揚げ物や炒め物、ドレッシング、マヨネーズなど、油を使った料理も摂り入れましょう。また、「高エネルギーな甘いものも良いの?」と思ってしまいがちですが、卵・乳製品・餡が使われているお菓子はたんぱく質が意外に多く含まれているので注意が必要です。

たんぱく調整食品を選ぶ

 最近では、たんぱく質を調整した食品も販売されています。普通のごはんと比較して、たんぱく質を25分の1以下、リンを3分の1、カリウムを20分の1にカットした調整ごはんもあり、おいしさ、使いやすさも十分。たんぱく調整や高エネルギーに特化した「栄養療法食品」を利用してみるのもおすすめです。エビデンスに基づき、医療現場でも使われている食品など、医師や栄養士に相談してみてはいかがでしょう。2)

【参考文献】
1)日々の食事選びのサポートサイト ヘルシーネットワークナビ
適切なたんぱく質の制限
https://www.healthynetwork.co.jp/navi/byouki-column/jinzou/jinzou003/
1)2)
・東邦大学医療センター大森病院 腎臓病の食事の基本
 https://www.lab.toho-u.ac.jp/med/omori/neph/patient/nutrition/diet.html
・栄養部 - JAとりで総合医療センター  たんぱく制限について
 https://www.toride-medical.or.jp/department/eiyou/204-jinzo.html

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