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キーワードでわかる臨床栄養

第8章経腸栄養法

8-4:栄養材の注入法

栄養材の注入法
 胃瘻からの栄養材の注入法としては,
①持続注入法(液体栄養剤および低粘度栄養材),
②間歇的注入法(液体栄養剤および低粘度栄養材),
③短時間注入法(半固形化栄養材およびミキサー食)がある.
表2にその特徴を示した.
表2

(文献8-4-3より引用)

①持続注入法
 注入開始時から等張性あるいはやや高張性の液体栄養剤を希釈することなく30~50 mL/時で投与開始し,徐々に維持投与量に到達するように増量する.消化管症状が出現する場合には1段階前の投与スケジュールに戻し様子をみる.維持投与量は通常,70~100 mL/時である.しかし,持続投与法は,現実的でなく,重篤な患者に対する早期経腸栄養の際や腸瘻への注入の際に限定して用いられることが多い.

②間歇的注入法
 少量の液体栄養剤を低速度から開始する.欧米では液体栄養剤250 mLを30分以上かけて1日5~8回で投与することが推奨されているが,国内では400~600 mLを2~3時間かけて(200 mL/時程度の速度)食事時間にあわせ3回注入し,注入後1~2時間は座位を保つことが一般化されている.

③短時間注入法
 合田が考案した方法で20,000 mPa・秒程度の粘度に調整された半固形化栄養剤あるいはミキサー食300~600 mLを15分程度の短時間で注入する方法で,通常の食物摂取と消化パターンに類似した最も生理的な栄養摂取法である.液体栄養剤や低粘度の栄養材は,呼吸器合併症や下痢のリスクがあるので用いない.

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