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キーワードでわかる臨床栄養

第4章栄養と免疫,および生体防御機構

4-1:抗原提示細胞[antigen presenting cell]

抗原提示細胞[antigen presenting cell]
 マクロファージ,樹状細胞,B細胞といった,抗原を消化分解し,抗原ペプチドをMHCクラスⅡ分子に結合させる機能をもった細胞を抗原提示細胞という(図3).抗原提示細胞は,細胞表面のTLRにより病原体がつくる産物を異物として認識すると活性化し,自然免疫を起動する.また異物を分解(processing)してつくった抗原ペプチドを自己MHC抗原とともに細胞表面に提示する.これをTh細胞が抗原受容体(TCR)により読みとり獲得免疫として働く.ここで,さらに抗原提示細胞とTh細胞のそれぞれがサイトカイン受容体と接着分子(補助シグナル分子)を細胞表面に発現する.抗原提示細胞はレセプターであるCD80/CD86を,Th細胞は接着分子であるCD28を発現して互いに接合し,遺伝子の活性化あるいは調節に向けたさらなるシグナル伝達を行う.
図3

図3●抗原提示細胞
抗原提示細胞のMHC クラスⅡ分子により,Th 細胞のTCR にて抗原が提示されてTh 細胞が活性化し,抗原提示細胞上のCD80/CD86 がTh 細胞表面のCD28 と結合して活性化が促進される.

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