6カ月で10%の体重減少があれば、栄養状態は不良と考えられるので栄養療法が必要である。カロリー摂取減少が2週間以上続いている場合は、体重減少(10%以上)がみられなくても、栄養素や微量元素の欠乏があると考えるべきである。皮下脂肪・筋肉量の消失がある場合には栄養状態不良と判断すべきであり、浮腫・腹水の存在などの症状がある場合は、体重の減少が明らかではなくても栄養状態不良のことがあるので、身体所見には十分注意する。
生体は飢餓や体重減少が激しいときには、エネルギー消費を抑えるように反応している。大量の糖質が急に入ると膵
インスリン分泌が刺激され、
カリウムと
マグネシウムが細胞内に急速に流入し、低
カリウム・低
マグネシウム血症が惹起され、不整脈を発症する。糖質からATPを産生するためにはリンが必要であり、低リン血症も出現する。溶血性貧血、痙攣発作、横紋筋融解などが起こり、呼吸筋機能も低下する。糖質補給は緩徐に行い、
アミノ酸や
脂質、少量のリン酸
カリウム、
マグネシウム投与を考慮する。血清リン値が1mg/dL以下の場合にはリン酸二
カリウムを投与する。リンは体重の1%(総重量500〜700g)が体内にあり、その85%が骨に、14%が軟部組織にあり、リンは細胞内のおもな陰イオン(約100mM)を構成し無機リンとしてはわずか1mMにすぎない。細胞外液中に存在する無機リンは約500〜600mgで全体のわずか0.1%程度であり、血中リン濃度は細胞内外での移行や非経口的負荷および透析による除去などで変動しやすい。重篤な低リン血症では、2,3-DPGが低下しヘモグロビンの酸素飽和曲線が左方移動するので、酸素の末梢での放出が抑制されるため組織酸素欠乏が起こり、さらに横紋筋融解が惹起される。
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