栄養管理にはチーム・アプローチは有効であり、不十分な栄養管理を補い、不必要な合併症を防ぐことができる。栄養サポートチーム(NST)は横断的な多職種による
チーム医療を行うもので、各専門分野の視点で理想的な機能が期待できる。NSTの定義は明確でないがメンバーは医師、看護師、管理栄養士、薬剤師そのほかから構成される。わが国では医師以外の職種に医療的指示を出す権限が極度に少ないので、チームのカンファレンスに基づいた提言が主治医の治療方針に活かされる。
NSTの活動内容は施設や規模により異なり定められたものはないが、栄養スクリーニングを行い、栄養療法を適切に行うことが求められている。多職種で行われるのでカンファレンスや回診が必要である。チームで行う栄養管理の内容は
表2に示す。
① 栄養スクリーニング
② 栄養療法の選択
③ 栄養療法の管理
・ 静脈カテーテル管理(カテーテル感染)
・ 経腸チューブ管理
・ PEGの管理
④ 合併症のチェック 回診、モニタリング |
① 栄養状態のスクリーニング
入院時の栄養状態の把握が必要で、リスクの高い栄養不良患者をみつけることが目的となる。栄養評価にはいろいろな項目があり、詳しくはほかに述べられているが、簡単なものが望ましい。入院時の問診で得られる主観的包括評価(SGA)は参考になる(
1-5:栄養スクリーニングの
Key Word[1])。食事量、
体重変化を中心に栄養低下をもたらす原因を調べ、
身体計測、生化学的検査、免疫能などを総合的に判断し栄養状態を判定する。
② 栄養投与
栄養不良がみられた場合は術前、術後にいかなる栄養方法が適切かを検討する。経口投与が可能な場合は適切な食事内容、経口補助食を用いて栄養改善を図る。経口摂取ができない場合は、経腸栄養(EN)を第一選択とし、短期間では経鼻チューブから、4週間以上の長期なら小腸瘻か
胃瘻(PEG)を作成する。
経腸栄養剤は病態に応じて選択される。イレウス、
下痢などで消化管が使えない場合は静脈内栄養(TPN)を行う。
③ カテーテル管理
TPNではカテーテル感染が最も危険である。中心静脈へのカテーテル留置、カテーテルの材質、刺入部交換などに細心の注意が必要で、NSTの関与で合併症が減少した報告は多い。経腸栄養のカテーテル管理も経鼻、PEGともにNSTによる管理が有用である。
④ モニタリング
代謝上の合併症は栄養療法の成績に影響を与える。これは特にTPNに起こりやすい。主なものは高血糖、低血糖、水分過剰、電解質異常、酸・塩基平衡異常、肝障害、腎障害などである。NSTの管理により代謝上の合併症が92.7%から11.4%に減少した報告がみられる(
参考文献1-3-1)。合併症のチェックはNSTのカンファレンスや回診で行われ、主治医にフィードバックされる(
7-4:経静脈栄養法の合併症と対策参照)。
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